研究課題
内側側頭葉てんかん患者16名に対する検討において、MPDXPETをは神経焦点での結合は上昇せず、焦点診断に適当なトレーサーではないことが明らかとなった。一方でSPM統計解析では両側前頭葉皮質、両側帯状回において有意な結合能の上昇を認めた。ROI解析においてもSPM統計解析で認めた結合能上昇部位において、有意な上昇が確認された。このことは焦点周囲におけるてんかん抑制機能及びや神経保護機能を示すと思われた。結合能の上昇は、罹患期間が長い症例で強く、また重積のない患者でより強かった。このことからもアデノシン結合能が、てんかん波の拡散を止める機能を示していると思われる。これらの結果は外傷における臨床研究の結果、動物実験での虚血実験の結果とおおむね一致しており、アデノシンA1受容体機能の解明につながるとともに、アデノシンが神経疾患の治療ターゲットとして可能性があることを示しているものと考えられる。グリアイメージングでは、キンドリングモデルラットにおいて著明な上昇を認め、比較的長期間持続することが確認された。しかしながら臨床においては、3つのトレーサーにて評価したが、明らかな焦点描出における上昇は認められなかった。このことは、てんかん焦点におけるグリア細胞の活性上昇は病理所見にて認めるが、慢性疾患であるてんかんにおいては、その程度が軽度であり、動物モデルのような変化はないものと推察された。今後てんかんの中でも比較的変化が強いと思われる皮質形成異常などでの検討が望ましいと考える。
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