研究課題/領域番号 |
17K10887
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大石 誠 新潟大学, 脳研究所, 准教授 (00422593)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | flavoprotein / epilepsy / neuronal activity |
研究実績の概要 |
動物実験により脳の神経活動を投与物質を用いずに内因性信号として可視化することができるフラビン蛍光法を応用して,ヒトに対する脳神経外科手術中に大脳の賦活活動を題材として,ヒトの大脳での神経活動を直接可視化することを目的に本研究を行っている.対象としては脳腫瘍で開頭手術を行う症例であり,開頭後で脳が露出した後,摘出術に入る前に記録トライアルを行った.手術顕微鏡の光源としてレーザー光源を導入し,青色光だけを照出,脳表の留置電極から局所の皮質電気刺激を行い,特殊波長域のフィルターを介してCCDカメラで術野全体の記録を行った.刺激条件を変更しながら,また記録条件,解析条件も少しずつ修正しながら,経験を重ね,明らかな反応を再現性を持って記録することができた.記録所見上は限局した早期反応と広範囲の晩期反応が得られ,晩期反応は,従来から報告のある血流変化と酷似していたため,早期反応が標的としたフラビン反応であることが示唆された.なにより,刺激した周囲の皮質ややや離れた皮質に確実な反応所見が認められ,大脳皮質の直接刺激反応や伝播反応を可視化することができた.術中にヒトの大脳の活動を直接可視化したという点においては,我々の知る限り世界で初めての経験となり,より感度高い可視化を実現できれば,術中の新しい機能モニタリング方法となるのみならず,脳機能の解明やてんかんの病態解明にも寄与する手法となると考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最大の目標であった術中のヒト大脳皮質のフラビン蛍光反応の可視化が確実に記録され,その方法論を確立した. 症例20例の解析を行い,動物実験も加え,事象の正当性を検証するまでに至った.
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今後の研究の推進方策 |
症例数を重ね,実地での確実正をさらに伸ばして行く. ひとまずの測定条件は決したが,さらに異なる測定条件の可能性は次の課題となる. 次の段階として,組織に普遍的な伝播所見の解明.そして「てんかん原性皮質」における反応の特異性の解明へと動物実験も含めて取り組んでおり,こちらも今後引き続き課題となる. 最終年度につき,今までのデータを論文作成中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
今までデー他収集と解析を中心に行って来た.最終年度は今までの総まとめで,学会発表や論文発表.そして,今までのデー他整理を行い,今後につなげてゆく.
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