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2018 年度 実施状況報告書

多様なmodalityによる振戦の病態解明とFUSやDBSによる病態修飾

研究課題

研究課題/領域番号 17K10891
研究機関名古屋大学

研究代表者

中坪 大輔  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (70378165)

研究分担者 前澤 聡  名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任准教授 (90566960)
寳珠山 稔  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30270482)
渡辺 宏久  名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任教授 (10378177)
Bagarinao E.  名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 特任准教授 (00443218)
坪井 崇  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (50772266) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードFUS / 集束超音波治療 / 本態性振戦 / fMRI / MEG / network / CRST / tremor
研究実績の概要

本年度は順調に症例数を増やし、MRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)を昨年度に続き累計25例実施した。治療成績も治療後6ヶ月の時点で、振戦の改善率71.4%と、従来の報告に比べても遜色なく、重篤な合併症もなかった。
振戦の症例に対し、術前評価を行い、安静時fMRIやMEGを24例実施した。fMRIのデータはFSLを使って独立成分分析(independent component analysis)を行い、Dual regression analysis等の解析方法を使って、脳とこころの研究センターの健常人データベースと比較し、本態性振戦患者群と群間比較を行っている。現在解析作業を進めている。また、治療後の再評価を随時実施しており、治療前後の比較を検討する予定である。
MRgFUSによる治療が国内で進む中、各学会での情報交換に留まらず、本年度は日本経頭蓋MRガイド下集束超音波治療研究会を設立し、第一回の研究会を名古屋で開催することができた。安全に有効な治療を進めていくために様々な観点から議論を重ね、次回以降も継続していくこととなった。
またこれまでの治療実績の中で、治療後一過性に下肢脱力が生じた症例全例において、治療効果が非常に高いことが判明し、小脳と視床のnetworkに関して、重要な示唆が得られた。凝固巣が上下方向に伸びることにより、視床腹側の領域である不確帯(Zona incerta)まで凝固が及び、sub-thalamotomy効果が得られていることが推察された。これは従来言われているPSA(post subthalamic area)より外側に位置し、この部位含めて治療することで、振戦に対してより高い効果が得られると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、当初の計画通りに症例数を集め、MRgFUSもしくは高周波凝固術(RFL)での治療数も概ね予定通りに進んでいる。しかし全例で研究協力が得られる訳ではないため、現在も症例のリクルートを行っている。
今までの症例を順次解析し、現時点の15例の本態性振戦患者群と15例の健常者群との比較においては、Dual regression analysisでは有意な違いは見られなかった。

今後の研究の推進方策

次年度も症例数を増やし、20例ずつの群でDual regression analysisを行う予定である。小脳や大脳基底核のconnectivityをより的確に描出するための解析方法も試みており、更なる検討を進める予定である。治療介入後のfMRIやMEGの実施も随時進めていく。

次年度使用額が生じた理由

解析方法の修正に伴い、現存の機器を一時的に使用しているため、物品費の残額が生じている。新しい解析方法の実施に伴い、次年度機器を購入する予定。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 本態性振戦に対するMRgFUSの初期経験と臨床研究2019

    • 著者名/発表者名
      加藤祥子、前澤聡、中坪大輔、津川隆彦、柴田昌志、高井想生、若林俊彦
    • 学会等名
      第58回日本定位・機能神経外科学会
  • [学会発表] 本態性振戦に対するMRgFUSの振戦抑制と下肢脱力との関係について2018

    • 著者名/発表者名
      加藤祥子、前澤聡、柴田昌志、中坪大輔、津川隆彦、若林俊彦
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会 第77回学術総会
  • [学会発表] 本態性振戦に対するMRgFUSの振戦抑制と下肢脱力との関係について2018

    • 著者名/発表者名
      加藤祥子、前澤聡、木村崇志、林部昌弘、津川隆彦、中坪大輔、若林俊彦
    • 学会等名
      第1回日本経頭蓋MRガイド下集束超音波治療研究会
  • [学会発表] 集束超音波治療(FUS)の現状と今後2018

    • 著者名/発表者名
      前澤聡
    • 学会等名
      第一回本態性振戦治療フォーラム
    • 招待講演
  • [学会発表] 本態性振戦に対するFUS-初期20例より学んだこと2018

    • 著者名/発表者名
      前澤聡
    • 学会等名
      日本脳神経外科学会 第77回学術総会
    • 招待講演
  • [備考] 3.多様なmodalityによる振戦の病態解明とFUSやDBSにおける病態修飾

    • URL

      https://med-nagoya-neurosurgery.jp/intro/nou

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公開日: 2019-12-27  

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