研究課題/領域番号 |
17K10892
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
菊池 隆幸 京都大学, 医学研究科, 助教 (40625084)
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研究分担者 |
松本 理器 京都大学, 医学研究科, 准教授 (00378754)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | supplementary motor area / language function / frontal aslant tract |
研究実績の概要 |
本研究では、優位半球前頭葉内側部と外側部の線維連絡であるfrontal aslant tract(FAT)の言語機能への関与を詳細に理解することを目的としている。研究実施計画に基づき、上記領域に病変を有し、開頭での切除術の適応となる患者に協力を依頼して、術中の皮質皮質間及び白質皮質間誘発電位の誘発状況、潜時、位置情報と、術前後の言語及び運動症状の変化とを比較することで機能解明を目指すものである。合わせて術前後の解剖学的・機能的画像解析結果も検討を行っている。 現時点で蓄積できた症例は2例で、まだ結果を一般化できる状態では無いが、術中の電気生理学的記録は問題なく可能であることが確認できた。 一方で、優位半球前頭葉内側部での言語課題での賦活に対して検討を行い、興味深い結果を得つつ有る。この検討では、語彙想起課題と読み取り課題を同一症例について行い、和田テストで得られた言語側方性と課題施行時の賦活状況とを比較したものであるが、課題により賦活の側方性に差異がみられた。この検討は、前頭葉内側領域、ひいてはこれと外側前頭葉皮質を結ぶFATの機能を検討する上で非常に有用な示唆を与えると考えられる。 今後は、従来の計画通り手術症例での術中電気生理学的記録の蓄積及び縦断的な評価を行うとともに、画像解析も並行して継続する。並列で検討を行うことにより、前頭葉内側部及びFATの言語への関わりについて、包括的な機能についての理解が進むと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
対象となる領域に病変を有し、手術となるような対象の患者が少なく、症例蓄積が伸び悩んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例を蓄積し、画像や術中の電気生理学的所見と症候の術前後の変化の相関について解析を進めてゆく。 合わせて上述の画像解析も引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例蓄積の遅れにより、使用金額の修正が生じた。次年度に症例蓄積を見込んでおり、その際に使用する予定としている。
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