研究実績の概要 |
研究の対象となるような手術症例が少なく、症例数はのびなやんでいる。 これと並行して行っている、補足運動野と言語との関連についての機能的MRI解析を行った。2013年10月から2016年11月までに当院でwada testとfMRIを施行した症例のうち、言語野に腫瘍や浮腫が及ぶ症例やAVM症例を除いた18例(男性8例、女性10例)を対象とした。middle frontal gyrus, inferior frontal gyrus ( pars opercularis), inferior frontal gyrus ( pars triangulars ), SMA, superior temporal gyrus, inferior parietal lobule, angular gyrus, fusiform gyrusの8つのROI について検討した。グループ間での各ROIにおけるlaterality index (LI)の差異をWilcoxon signed rank testを用いて評価し、カットオフ値を調べるためにROC解析を行った。右利きは左優位群で14例、右優位群で1例であった。左病片側症例は左優位群で11例、右優位群で2例であった。Wilcoxon signed rank testの結果、黙読課題におけるSMAのLIは有意差( p=0.002 )を認め、言語優位半球判定のためのSMAのLIのカットオフ値は -0.07で、 AUCは1.00であった。このように、言語タスク実施時の補足運動野の賦活の左右差と、言語側方性評価のゴールドスタンダードとされるWada testとの結果がよく一致するという結果が得られ、frontal aslant tractが接続する2領域の言語との関連性について示唆に富む内容であったため、これを論文として報告すべく準備を行なっている。 引き続き手術症例の蓄積も継続してゆく予定である。
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