| 研究課題/領域番号 |
17K10900
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| 研究機関 | 琉球大学 |
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研究代表者 |
片桐 千秋 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00443664)
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| 研究分担者 |
石内 勝吾 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10312878)
菅原 健一 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (50375573)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 高気圧酸素療法 / 放射線照射療法 / HBO |
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| 研究実績の概要 |
悪性神経膠腫の標準治療は手術と術後の化学療法を併用した放射線照射療法であるが、放射線照射は副作用として患者の認知機能を低下させるのも事実である。特に照射対象の腫瘍部の奥に海馬がある場合において顕著である。本研究は放射線による神経損傷、それに続く認知機能低下に対して高気圧酸素療法併用法が神経に対して保護作用を示し認知機能低下を予防するメカニズムを神経科学的に検討する。方法はマウスの全脳へ2Gyの放射線照射を5日間、放射線単独照射群と高気圧酸素療法併用照射群に分けて照射し、対象となる非照射群と比較して解析を行う。2017年度は、行動学的解析と行動解析後のマウス脳の3Dイメージング解析を行い行動学的解析により記憶課題および恐怖感覚において放射線照射による影響を減弱する結果となった。神経特異的YFP発現マウス全脳の透明化において、透明化中の脳組織の損傷が著しく改善が求められていた点について、本年度は透明化のプロトコルを改良し画像を撮像するまでに至った。放射線単独照射群の海馬ではYFP陽性の神経細胞が非照射群と比較して著しく減少していた。一方で高気圧酸素療法併用群では神経細胞が照射により減少していたが放射線単独照射群と比較して軽度であった。臨床症例を用いたfMRI解析は琉球大学医学部附属病院脳神経外科で放射線療法を加療する脳腫瘍摘出患者のうち海馬領域への被曝が避けられない患者（4症例）の放射線治療前、治療途中、治療後に撮像を行いデータを取得した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経細胞特異的YFP発現マウスの全脳3Dイメージングの撮像を行い、放射線照射によるYFP陽性神経細胞の減少、特に海馬領域における神経細胞の減少が観察され、高気圧酸素療法併用により減少が抑制されることを示した。しかしながら、神経活動解析のためのテトロード電極作製がかなりの時間を要し本年度は実際にマウスの脳への留置まで進まなかったためやや遅れている。臨床症例は症例条件に適合した本研究に協力していただける症例数が少なかったため今年度は4名解析し解析総数が16名となっている。
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| 今後の研究の推進方策 |
神経の走行性、シナプスの動態を引き続きYFPマウスを用いて検討する。神経活動解析としてテトロード電極を用いた解析はヘッドステージの作製およびマウスへの装着の練習を積んで実際の計測を行う計画であるが、電極の作成が難航しているため、並行して神経細胞内へのカルシウム流入による神経活動解析法も導入を検討する。臨床症例は放射線療法を加療する脳腫瘍摘出患者のうち海馬領域への被曝が避けられない患者に対し承諾を得て研究に協力して頂きデータを取得していく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
テトロード電極を用いた神経活動解析に用いるヘッドステージの作製に難航したためその後の実験に必要な動物、動物管理費および試薬等の購入に充てる予定だった助成金が来年度に繰り越しになったため。
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