研究実績の概要 |
①既知のsmall RNAの同定:iNPH2例、パーキンソン症候群1例、アルツハイマー病1例の計4例の髄液をhuman miRNome miRNA PCR Arrayを用いて、1008個のmicroRNAsを網羅的に解析した。その結果20個のmicroRNAsがiNPHと比較してパーキンソン症候群で変動していた。(1次スクリーニング)次にiNPH 7例、パーキンソン症候群3例、アルツハイマー病5例と正常5例を対象として、1次スクリーニングにて抽出された20個のmicroRNAsをqRT-PCR法にて定量測定し、9個のmicroRNAsが候補として抽出された。(2次スクリーニング) 更に、これらの9個のmicroRNAsを55例(iNPH;21例,パーキンソン症候群;18例, アルツハイマー病;16例, 正常例;5例)の髄液検体を用いて、qRT-PCR法にて定量測定した。その結果AUC 0.8以上で、iNPHとパーキンソン症候群併存例を鑑別診断できるバイオマーカーの候補としてmiR-1280, miR-let-7b, miR-4274, miR-2116, miR-3675, miR-92a, miR-3131, miR-1910, miR-4310が同定された。 ②未知のsmallRNAの同定:iNPH 10例とパーキンソン症候群10例を対象として、髄液からsmall RNA抽出した。2016年度の創薬等技術支援基盤プラットファーム・解析拠点領域機能ゲノミクス領域Aの支援の基に、TruSeq Small RNA-Seqライブラリー作製キットを用いて、シーケンス用ライブラリーの作製を試みた。結果、得られたピークはわずかに検出される120bpのみでNegative Controlとの差が見られず、アダプターダイマー由来のピークと予想されることから、ライブラリーは作製を断念した。
|