研究課題/領域番号 |
17K10909
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
馬場 康彦 昭和大学, 医学部, 准教授 (50352258)
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研究分担者 |
馬場 胤典 東海大学, 医学部, 講師 (50548485)
厚見 秀樹 東海大学, 医学部, 助手 (30307269)
反町 隆俊 東海大学, 医学部, 教授 (50534731)
松前 光紀 東海大学, 医学部, 教授 (20209604)
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 助教授 (70197234)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | パーキンソン症候群 / 難治性歩行障害 / 難治性疼痛 / 脊髄刺激療法 |
研究実績の概要 |
進行性核上性麻痺(PSP)や進行期Parkinson病(PD)における姿勢反射障害や歩行障害などの運動症状は日常生活動作を著しく低下させる因子であり,有効な治療法は未だ報告されていない.本研究では,これらの疾患に対して頸椎椎体レベルの腹側及び背側硬膜外腔に留置した電極から脊髄の前索及び後索を刺激し,PSPや進行期PDに伴う姿勢反射障害や歩行障害に対する効果を検討することを目的としている.平成29年度から引き続き症例の蓄積を行いSCSの短期的な効果を検討した.SCS施行後3か月での評価では,PSP,進行期PDともに姿勢反射障害および歩行障害の改善が認められた.また,脳血流SPECTでの評価では前頭前野における血流低下の改善と視床における血流増加が認められた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
難治性疼痛に対する新規の内服治療薬が導入され,これによって疼痛緩和を得たPSPや進行期PD患者が認められ,SCS治療が選択される症例が減少した.また,進行期PDに対するL-dopa経腸投与など新規治療が本邦で導入され,これらの治療によって運動症状の改善効果とともに疼痛が緩和される症例も確認されており,SCSが選択されない症例があった.
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今後の研究の推進方策 |
これまでにSCSを施行した症例において,短期から長期観察における疼痛および歩行・姿勢に対する治療効果を解析する.また,SCS施行例と薬物治療例において疼痛および歩行・姿勢などの疾患経過について比較検討を行う.さらには,SCSにおける疼痛や運動症状への影響を詳細に調査するために,SCSの3次元脳幹・脊髄コンピューターモデルを作成し,神経内における電場解析を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究結果については解析中であり,学会や雑誌等で詳細な研究成果の報告を行う機会が生じなかった.今年度は研究成果の報告を行うため,それに際して使用する予定とする.
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