研究課題/領域番号 |
17K10917
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
熊谷 玄太郎 弘前大学, 医学研究科, 講師 (90529679)
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研究分担者 |
古川 賢一 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (20165468)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / Muse細胞 / 細胞移植 |
研究実績の概要 |
1.重症度別脊髄損傷モデルを作成 不安障害モデルマウスであるPRIP-1-/-(phospholipase C (PLC)-related inactive protein type 1ノックアウト)マウスとWT(Wild type)マウスに圧挫損傷を加え、行動評価および組織学的評価を行った。PRIP-1-/-マウスでは脊髄損傷後の二次損傷が拡大し、運動機能回復が不良であった(Journal of Neurotrauma 2018に掲載)。 脊髄損傷モデルマウスにおける損傷後不安行動および運動機能回復の性差の検討。脊髄損傷モデルマウスにおける不安行動と運動機能回復の性差について検討し、雌雄マウス共にSCI後に不安行動を示し、雄マウスはSCI後の不安行動と運動機能との関連を認めることを示した(Journal of Neurotraumaに投稿準備中)。現在脊髄損傷モデルに対して下記Muse細胞の移植実験を行っている。 2.自家組織由来Muse細胞の樹立および性質の解析 マウスからMuse細胞を抽出した。抽出された細胞がMuse細胞の特徴であるクラスター形成能、自己複製能、多能性マーカー、自発的分化能を有している事を確認した。Muse細胞の抽出率やクラスター形成率を比較し、MACSの正確性を検討する事で、MACSの特徴を明確にした。さらにMuse細胞の神経分化能は明らかではなかったが、in vitroで神経分化誘導を行い、Muse細胞が神経細胞、オリゴデンドロサイトやアストロサイトのグリア細胞への分化能を有していることがわかった。脂肪由来Muse細胞が脂肪由来Non-Muse細胞と骨髄由来Muse細胞に比べて神経栄養因子の分泌が高値であった。以上の結果をまとめ、海外雑誌Cell transplantationに投稿中(Revision)である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
脊髄損傷に対するMuse細胞の移植実験中であり、行動評価、組織学的評価を解析し、その効果を解析予定である。
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今後の研究の推進方策 |
移植方法の検討としてmicroinjectorを用いて自家組織由来Muse細胞および他家組織由来Muse細胞5x105個を移植する。コントロールとしてPBSを用いる。以下の3つの検討課題を実施する。 ①直接投与:損傷中心部、②硬膜内投与:腰椎レベルから硬膜内に投与③経静脈投与:Tail veinを用いる。3つの方法で最も移植効果が高い移植方法を用いる。 移植後の行動評価、組織学的評価を行い、Muse細胞移植の有効性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験消耗品について節減できたため、残額が生た。 次年度に成果報告を予定しているため、学会参加旅費に充当する予定である。
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