研究課題/領域番号 |
17K10921
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
國府田 正雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50361449)
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研究分担者 |
古矢 丈雄 千葉大学, 医学部附属病院, その他 (00507337)
佐藤 守 千葉大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (20401002)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / バイオマーカー / プロテオミクス / 予後判定 |
研究実績の概要 |
脊髄損傷の早期・客観的重症度判定を可能にする分子バイオマーカーを開発することを目的として研究を行っている。平成29年度はラット脊髄損傷モデル脳脊髄液サンプルよりプロテオミクスアプローチにてスクリーニングされた脊髄損傷バイオマーカー一次候補物質の絞り込みを行った。対照群(椎弓切除のみ、脊髄損傷なし)・脊髄損傷(軽症)・脊髄損傷(重症)のモデルラットを作成し、脳脊髄液・血漿を採取、素早く液体窒素にて凍結保存した。脳脊髄液・血漿サンプル中の脊髄損傷分子バイオマーカー一次候補タンパク(現在までの一次スクリーニングにて候補となったタンパク)をEnzyme-linked immunosolubent assay (ELISA)にて検出した。脊髄損傷ラットで発現上昇を示し、脳脊髄液中濃度>血漿中濃度のパターンを呈するタンパクを選択し、脊髄損傷分子バイオマーカー一次候補タンパクの絞り込みをおこなった。 ELISAを用いた二次スクリーニングにてMyelin associated glycoproteinと excitatory amino acid transporter-1の2種類のタンパクが脊髄損傷モデルラットにおいて脳脊髄液中濃度>血漿中濃度の上昇パターンを呈しており、二次候補タンパクと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画記載したとおり、平成29年度にはプロテオミクス解析にてスクリーニングされた一次候補をELISAで絞り込む作業がほぼ予定通り進捗し、二次候補の2種類のタンパクを同定できたことより、概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画通り、二次候補タンパクのValidationを進めていく。上述のごとく概ね順調に進展していると思われるので、研究計画の大幅な変更は現時点では考えていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画通り研究を施行したが、ELISAキットなど多額の支出を見込んでいた消耗品が予想外に少なく済んだため、計画と比較して支出が少なかった(実験の失敗等が少なかったことも一因と考える)。旅費が計画よりも少なかったのは、まだ発表を差し控えるべき研究中データが多く、予定よりも学会発表を少なめにしたからである。 本年度は研究データまとめのための打ち合わせ費用・研究結果発表のための学会発表旅費・論文投稿のための英文校正・投稿費用などに主に予算を使用予定である。
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