研究課題
岡山大学では医療機器開発現場の抱える問題点を考慮し新しい高機能材料である多糖誘導体リン酸化プルランを創製して様々な医療用途へと展開してきたが、その新たな成形の一環としてフィルム形状のリン酸化プルランを開発中である。フィルム状にすることで、実際の手術の場面で術者が自在に形成し、狭い術野でも至適位置に設置することが可能となる。今回、そのリン酸化プルランフィルムに、骨形成能を持つ成長因子であるBMP-2を添加することで、整形外科領域に応用可能な優れた薬剤徐放能及び組織再生能を持った骨補填材を開発することを目的とした。今年度はH30年度に引き続き、ラット脊椎固定モデルを用い、骨形成能を検討した。その結果、ラット脊椎固定モデルにおける、マイクロCT評価および組織学的評価においてリン酸化プルランとBMP-2の併用により、コントロールと比較し良好な骨形成がみられた。今後は、臨床応用を進めるため、より大型の動物を使ったin-vivoでの実験などを検討していく予定である。