研究課題/領域番号 |
17K10931
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
亀井 直輔 広島大学, 病院(医), 准教授 (70444685)
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研究分担者 |
味八木 茂 広島大学, 病院(医), 講師 (10392490)
安達 伸生 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (30294383)
石川 正和 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座准教授 (60372158)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脊髄損傷 / 小胞体ストレス / OASIS / グリオーシス |
研究実績の概要 |
OASISノックアウトマウスおよび野生型マウスに対して脊髄損傷モデルを作製し、二群に分けて評価を行った。まず、Basso Mouse Scaleによる運動機能評価では、いずれの群でも経時的に後肢運動機能が改善していたが、野生型マウスと比べてOASISノックアウトマウスで損傷7日以降の後肢運動機能の改善が有意に高かった。組織学的評価では、損傷後14日の損傷脊髄組織で抗GFAP抗体および抗F4/80抗体による免疫染色を行った。いずれの群でも脊髄損傷部でF4/80陽性マクロファージがGFAP陽性アストロサイトに囲まれた像を認めた。GFAP陰性・F4/80陽性の面積を測定したところ、二群間に有意差を認めなかった。しかし、境界領域におけるGFAP陽性細胞の集積に違いを認めたため、さらなる評価として損傷後42日の損傷脊髄組織で抗GFAP抗体および抗N-cadherin抗体による免疫染色を行った。GFAP陽性と陰性の境界領域におけるGFAP陽性部分でN-cadherin陽性の面積を測定したところ、野生型マウスと比べてOASISノックアウトマウスで有意に面積が小さかった。これらの結果から、OASISを介した小胞体ストレス応答はアストログリオーシスには関係しないが、その後のグリア瘢痕形成に強く関係していることが示唆された。また、アポトーシスや髄鞘に関する評価のため、損傷後7日の損傷脊髄組織で抗Cleaved Caspase-3抗体および抗MBP抗体による免疫染色を行った。Cleaved Caspase-3およびMBPのいずれも陽性の細胞数は野生型マウスと比べてOASISノックアウトマウスで有意に少なく、OASISを介した小胞体ストレス応答のアポトーシスへの関連も示唆された。
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