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2019 年度 実績報告書

後縦靭帯骨化症関連遺伝子CDC5Lの機能~新たな骨芽細胞コミットメント機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K10933
研究機関鹿児島大学

研究代表者

冨永 博之  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (20750798)

研究分担者 前田 真吾  鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60353463)
河村 一郎  鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (90535832)
小宮 節郎  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (30178371) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードCDC5L / 後縦靭帯骨化症 / WNT
研究実績の概要

後縦靭帯骨化症(OPLL)病理組織の免疫組織化学染色(IHC)を継続しており、CDC5Lは骨化部周辺の軟骨様変性靭帯細胞とOPLL骨化部間質周囲の骨芽細胞様細胞の両者に発現を認めた。そもそもOPLL病理組織に”内軟骨性骨化”様式が存在するのか、マーカー(SOX9, COL2A1, COL10A1)蛋白のIHCを行ったところ、確かに軟骨様変性靭帯細胞に3者の発現を検出でき、これはCDC5L陽性部位でもあった。In vitroでCDC5Lの発現解析に加えて、siRNAノックダウンによる骨・軟骨細胞分
化への影響の検討を継続した。Cdc5lをノックダウンすると骨髄間質細胞ST-2とMC3T3-E1細胞の骨芽細胞分化系では、分化マーカーがRunx2から一貫して発現亢進し、ALP染色も増強され骨芽細胞分化が亢進した。C3H/10T1/2とATDC5の軟骨細胞分化系では、軟骨特異的Col2a1が著明に減少し、軟骨基質マーカーalcian blue染色も減弱し、分化が抑制された。この様に骨芽細胞と軟骨細胞で相反する役割を担う古典的Wntシグナルが、CDC5Lの一つの作用点である可能性を考え、レポーター(TOP flash)の解析をした。その結果CDC5Lは、シグナル伝達因子β-cateninやWNT3A添加で増強したWNTシグナル活性を低下させた。Cdc5lのsiRNAは、ST-2細胞において内因性β-catenin蛋白を増加させた。軟骨細胞分化系では、Cdc5lのsiRNAは、PthrpとCdk1のmRNA発現を亢進したので軟骨細胞の分化成熟に抑制的なPTHrP/Cdk1経路を抑制する事で、CDC5Lは軟骨細胞分化に促進的に働くと考えられた。以上より、CDC5Lは、OPLLの内軟骨性骨化過程に発現し促進的に働く増悪因子であり骨軟骨前駆細胞から軟骨細胞分化への分子スイッチと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] CDC5L, a genetically associated gene of the ossification of the posterior longitudinal ligament (OPLL), is expressed in OPLL to inhibit osteogenesis and promote chondrogenesis2020

    • 著者名/発表者名
      Go Jokoji, Shingo Maeda, Masahiro Nakajima, Ichiro Kawamura, Yuhei Yahiro, Hiroyuki Tominaga, Eiji Taketomi, Shiro Ikegawa, Noboru Taniguchi
    • 学会等名
      Orthopedic Research Society 2020 Annual Meeting
  • [学会発表] 脊椎後縦靭帯骨化症原因候補遺伝子CDC5Lの機能解析2019

    • 著者名/発表者名
      城光寺豪, 前田真吾,中島正宏, 河村一郎, 八尋雄平, 冨永博之, 武冨榮二, 池川志郎, 谷口昇
    • 学会等名
      第29回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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