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2018 年度 実施状況報告書

重度末梢神経障害治療を可能とするHybrid Vein Wrapping法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10944
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

村上 賢一  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (40447298)

研究分担者 内田 健太郎  北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
國吉 一樹  千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (40375788) [辞退]
大鳥 精司  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40361430)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードコラーゲンシート / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / Wrapping
研究実績の概要

昨年度までに再発性絞扼性神経障害などに対し行われる、Vein Wrapping術の痛覚過敏抑制機序の研究を行い、veinから放出される塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)と神経内に発現するHeme Oxygenase-1(HO-1)が機序の一旦を担う可能性を示した。本年度はVeinの代替としてbFGF添加コラーゲンシート(bFGF/CS)を作成し、損傷神経に局所投与したときの疼痛過敏抑制効果を検討した。また、神経保護作用を有するHO-1の発現についても検討した。Wistar rat 8週齢雄を使用し、末梢神経障害モデルとして、Chronic Constriction Injury(CCI)モデルを用いた。bFGF/CSを損傷神経に巻いた(FGF群)、CSのみを損傷神経に巻いた(CS群)、CCIのみを行ったコントロール群(CON群)を作成した(各群n=25)。行動学的評価として、術後1,3, 5, 7, 14日目にvon Frey testを行った(各群n=5)。また術後1, 3, 5, 7, 14日目の坐骨神経からRNAを抽出し、RT-PCRを行い、損傷神経内でのHO-1の発現を検討した。また術後1日目の坐骨神経内でのHO-1蛋白の発現をELISA法で定量した。またHO-1の免疫染色を行い、陽性細胞をカウントした。術後1-5日目に、FGF群はCS群, CON群に比し、有意に疼痛過敏が抑制された。また、術後1-5日目に、FGF群はCS群, CON群に比し、損傷神経内でのHO-1 mRNAの発現が有意に高値を示した。FGF群ではCS群、CON群に比し、HO-1蛋白の上昇とHO-1陽性細胞数の増加が認められた。bFGF/CSによる疼痛過敏抑制が示され、また損傷した坐骨神経内でHO-1の発現が上昇した。bFGF/CSはHO-1の誘導を介して痛覚過敏を抑制している可能性が考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初から予定していたVein由来成長因子をコラーゲンシートに吸着したhybrid collagen wrapping法の開発に成功しており、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

コラーゲン結合型成長因子を用いることで成長因子のコラーゲンへの結合力を向上させる。これにより、長期に渡り神経保護作用を維持できるhybrid collagen wrapping法の開発を行う。

次年度使用額が生じた理由

異動に伴い動物実験への着手に遅れが生じた。来年度に動物購入費として使用する予定である

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ラット坐骨神経損傷モデルへの塩基性線維芽細胞増殖因子添加コラーゲンシートの痛覚過敏抑制効果とM2 macrophage誘導能の検討2018

    • 著者名/発表者名
      向井務晃、内田健太郎、廣澤直也、村上賢一、稲毛一秀、折田純久、松浦佑介、江口 和、國吉一樹、高相晶士、大鳥精司
    • 学会等名
      第33回日本整形外科学会基礎学術集会
  • [学会発表] ラット坐骨神経損傷モデルに対する vein wrappingにより誘導される M2 macrophage subtypeの検討2018

    • 著者名/発表者名
      向井務晃、内田健太郎、廣澤直也、村上賢一、稲毛一秀、折田純久、松浦佑介、江口 和、國吉一樹、高相晶士、大鳥精司
    • 学会等名
      第33回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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