研究課題/領域番号 |
17K10945
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
檜山 明彦 東海大学, 医学部, 講師 (00514382)
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研究分担者 |
酒井 大輔 東海大学, 医学部, 准教授 (10408007)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Wntシグナル / CCN family / 椎間板変性 / 腰痛の解明 / 分子学的研究 / Cell signaling |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き,椎間板変性に至る分子メカニズムの解明について研究をおこなった. CTGF(CCN2)は,Cyr61(CCN1),NOV(CCN3),WISP1(CCN4),WISP2(CCN5)およびWISP3(CCN6)を含む分泌型タンパク質のCCNファミリーメンバーのうちの一つである.このうちCCN1は,CCN2と類似の活性および発現パターンを有する一方で,CCN3はCCN2に対して拮抗的な作用をする.またCCN2(CTGF)は髄核細胞中の細胞外マトリックス産生を増加させることや腰痛患者のヒト変性椎間板中におけるCCN2発現の上昇が報告されている. そこで本年度は,WntシグナルとCCN2とのシグナル解析をおこなった.ラット椎間板細胞を,11週齢のSprague Dawleyラットの腰椎椎間板から単離培養した(n=32).培養した髄核細胞をもちいて遺伝子導入後にDual-Luciferasse Reporter Assay system (Promega)により転写活性を測定した.まずWntの活性化剤BIO(6-bromoindirubin-3′-oxime)を添加後(各濃度0.1-1.0μM)のCCN2の転写活性を測定した.次にWT-β-cateninまたはβ-catenin siRNAを遺伝子導入し転写活性を測定した.WntシグナルによるCCN2の転写活性をgain-of functionやloss-of functionから解析した結果,Wntの活性化はCCN2転写活性を有意に減少させた.逆にWntの抑制はCCN2転写活性を上昇させた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は大型動物椎間板変性モデルを用いたWntシグナルと抗Wnt抗体(抗Sclerostin抗体)や抗NGF抗体における椎間板変性抑制効果を明らかにすることを目的としていたが、予算の関係から、in vitroでのWntシグナル解析にとどまったから
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今後の研究の推進方策 |
椎間板変性に関わるシグナル解析をすすめることで,腰痛治療に関与する分子標的薬の開発につなげたいと考えている
課題としては臨床研究に至るまでのin vivoでの動物実験が必要であるが,研究費が多くかかるため現状の獲得研究費だけでは大型動物を用いた研究が難しいと考えている.
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