研究課題/領域番号 |
17K10948
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
徳橋 泰明 日本大学, 医学部, 教授 (80188739)
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研究分担者 |
大島 正史 日本大学, 医学部, 専修指導医 (20526090)
上井 浩 日本大学, 医学部, 准教授 (50451373)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | dynamic stabilization / 椎弓根スクリュー / ビタミンE / ハイデンシテイポリエチレン |
研究実績の概要 |
この研究の目的は摺動面にビタミンE入りポリエチレンを用いた新しいPosterior Dynamic Stabilization Systemの耐久性と生物学的反応を評価すること。 方法:新しいペディクルスクリューシステムはペディクルスクリューとボールとセットスクリューにより構成。ボールはポリエチレン製であり中心にはロッドの貫通孔がありセットスクリューにてボールを挟み込む構造である。1) 試作システムの疲労摩耗試験:新しいペディクルスクリューシステムはロッドと本体スクリューが垂直になるように試験機に固定した。ロッドを50Nの荷重で引っ張りながら、±5°、1Hzのスピードで100万サイクルまで繰り返し動作させた。3検体のポリエチレンの摩耗紛量とシステムの破損の有無を検討した。2)2頭のミニブタに対し1頭はL2に新しいpedicle screwを挿入し、L3.4に従来のpedicle screw(stryker xia)を挿入した。もう一頭はL4に新しいpedicle screwを挿入し、L2.3に従来のpedicle screwを挿入しrod(stryker xia)で固定した。6カ月間飼育後に剖検し、6椎体とスクリューとロッドを一塊に切除した。CT撮影を行い椎間関節部の骨癒合の評価を行った。また、スクリュー周囲の骨軟部組織の研磨標本を作成し、顕微鏡下に摩耗紛の有無、スクリュー周囲の骨軟部組織を評価した。 結果:ポリエチレンの平均磨耗量は-0.01mgであった。新しいインプラントに破損は認めなかった。従来のスクリュー間では椎間関節が骨癒合していたが、可動性を残した新しいスクリューを用いた椎間では、椎間関節に骨癒合を認めなかった。screw周囲の骨軟部組織に摩耗紛は認めず、また、炎症細胞浸潤もわずかであった。以上より、この新しいシステムは高い耐久性と生物学的安全性が認められた。
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