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2018 年度 実施状況報告書

同種神経基底膜と骨髄幹細胞移植による人工神経の作成

研究課題

研究課題/領域番号 17K10951
研究機関近畿大学

研究代表者

柿木 良介  近畿大学, 医学部, 教授 (20314198)

研究分担者 赤木 將男  近畿大学, 医学部, 教授 (00273441)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード人工神経 / 末梢神経再生 / 同種神経基底膜 / 骨髄間葉系幹細胞 / 血流
研究実績の概要

【目的】我々は、ナーブリッジ(東洋紡)の外筒管(PGA)を神経誘導管として使用し、腓腹動静脈を外筒に接するように留置し、同種神経基底膜移植と骨髄間葉系細胞移植を組み合わせた新しい人工神経鞘を作成した。この人工神経は自家神経移植術の代替療法となり得るものと仮説を立てて、ラット坐骨神経20mm欠損モデルを用いて検討した。
【方法】実験1:ナーブリッジ外筒管の血行透過性評価の為、ルイスラットの坐骨神経に5mm欠損モデルを作成した。3mm径の神経誘導管内に腓腹動静脈を血管茎として挿入したモデルと神経誘導管の外筒に血管茎を沿わせたモデルを作成し神経再生、神経管内の血流を評価した。
実験2:DAラット坐骨神経を界面活性剤処理して作成した同種神経基底膜を、23mm長のナーブリッジ外筒内に2本挿入した。ルイスラット坐骨神経に20mm欠損を作成し、神経導管内の同種神経基底膜にルイスラット大腿骨より採取した骨髄間葉系細胞3X107個を移植し、外筒管に腓腹動静脈を沿わせた人工神経鞘で、ラット坐骨神経20mm欠損を架橋し神経再生を評価した。
【結果】実験1:両群間で電気生理学的、組織形態学的に有意差を認めなかった。また抗血管内皮抗体を用いて、検索したところ再生神経内の血流に有意差はなかった。
実験2:外付け20mm欠損モデルでは、電気生理学的検査において、処置後12週で、運動神経伝導速度は自家神経群よりは劣るが、足部内転筋誘発電位では有意差は認めなかった。術後24週では、電気生理学的検査で自家神経移植群と比較し有意差はあるものの約7割までの神経再生を有していた。
【考察】先行実験において、ナーブリッジは血管透過性を有する神経誘導管であることが示唆された。長い神経欠損には、神経再生の足場となる基底膜の重要性が示唆され、また骨髄間葉系細胞の生着・生存率に影響を与えると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

人工神経内に移植した同種神経基底膜の抗原性に関しては、抗CD8免疫染色を、同種神経基底膜の残存する細胞外マトリックスについては、抗ラミニン抗体を用いて検索しているが、まだ実験中である。またGFPルイスラットより採取した骨髄間葉系細胞の培養を行い、移植実験を近々に実施する予定であるが、まだ手付かずの状態である。

今後の研究の推進方策

同種神経基底膜の抗原性に関しては、抗CD8免疫染色を用いて、また細胞外マトリックスの存在については、抗ラミニン抗体を用いて検索する。それぞれ自家神経片、同種神経片と比較する。またGFPルイスラットより採取した骨髄間葉系細胞を人工神経内に移植し、移植神経内の移植骨髄幹細胞数についても検索する予定であり、完成し次第論文として結果を公表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

GFPラットを用いた実験がまだできていないため、本年度は余剰資金が生じたと考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 骨髄間葉系幹細胞を移植した血管柄含有神経導管における神経再生2019

    • 著者名/発表者名
      貝澤幸俊 柿木良介 池口良輔 太田壮一 野口貴志 大塚和史 松田秀一
    • 学会等名
      第36回中部日本手外科研究会
  • [学会発表] 骨髄間葉系細胞及び同種基底膜移植により作成した人工神経鞘に関する研究2019

    • 著者名/発表者名
      田中寛樹 柿木良介 赤木將男
    • 学会等名
      第36回中部日本手外科研究会
  • [学会発表] 骨髄間葉系細胞及び同種基底膜移植により作成した人工神経鞘に関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      田中寛樹 柿木良介 大谷和裕 赤木將男
    • 学会等名
      第29回日本末梢神経学会学術集会
  • [学会発表] 局所血管柄を導管内に含む人工神経による末梢神経再生2018

    • 著者名/発表者名
      貝澤幸俊 柿木良介 池口良輔 太田壮一 野口貴志 織田宏基 野尻正憲 大塚和史 佐藤充彦 武井大輔 松田秀一
    • 学会等名
      第33回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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