研究実績の概要 |
研究計画に従い、骨髄血、骨髄由来間葉系幹細胞、脂肪由来間葉系幹細胞の各々について特性評価を行った。 当該年度においては、骨髄由来間葉系幹細胞、脂肪由来間葉系幹細胞について、細胞分化能(骨分化、軟骨分化、脂肪分化)、増殖能(Doubling Time)、細胞表面抗原解析(CD34, CD31, CD45, 73, 90, 105, 271)、遺伝子解析(Runx2, ALP, Osteocalcin)を行った。細胞分化能(骨分化、軟骨分化、脂肪分化)については、軟骨分化および脂肪分化については計画通りの方法で分化能を確認することができ、骨分化能は本研究に適合する試薬を見出すまでに時間を要したものの、骨髄由来間葉系幹細胞・脂肪由来間葉系幹細胞とも骨分化能があることを確認した。増殖能(Doubling Time)については、骨髄由来間葉系幹細胞と比較して脂肪由来間葉系幹細胞では継代数、継代毎の集団倍加数とも高くなっており、脂肪由来間葉系幹細胞の方が細胞増殖能に優れている可能性が示唆された。また、安定して疾患再現可能な動物モデルについての評価を行い、より成熟した動物個体(12-14週齢相当)では比較的安定して疾患再現可能であることを確認した。 平成30年度内に細胞特性の解析が全て終了する計画であったが、分化能の解析に時間を要したため、細胞表面抗原解析、遺伝子解析が完了することができなかった。また、動物モデルへの細胞投与試験についても実験を完了することができなかった。しかし、すでに細胞表面抗原解析、遺伝子解析を進めており、比較的再現性の高い動物モデルであることを確認していることから、平成31年度に計画している研究については計画通り進めていくことが可能であると見込んでいる。
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