研究課題/領域番号 |
17K10955
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山神 良太 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00722191)
|
研究分担者 |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
武冨 修治 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70570018)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 半月板 |
研究実績の概要 |
iPS細胞由来の半月板組織が臨床現場で使用できるようになれば、現状では多くの場合切除しか有効な方法が存在しない本邦の半月板損傷治療において、切除後に新たな半月板組織を移植するという治療選択肢が生まれ、半月板の機能不全により生じる膝関節軟骨損傷や変形性膝関節症の発症予防へと繋げることが可能となる。しかしなが、iPS 細胞の半月板細胞への分化誘導法は確立されておらず、それを目指した研究も報告されていない。半月板の再生を考えるためには、半月板がどのように発生・分化・成熟するか、またどのような遺伝子が発現してどのようなシグナルによって制御されるか、といった発生学的な基礎知識が必須である。そこで本研究においては、まずは半月板についての発生学的な基礎検討をしっかりと行い、半月板発生過程の分子機序に関する知見を積み重ねていくことを計画した。膝半月板はⅠ型コラーゲンを主体とする線維軟骨組織であるが、最も血流が乏しく再生能も殆んどない半月板内縁の組織ではⅡ型コラーゲンの発現が多い(Clin Orthop Relat Res 252:8, 1990)等、部位により発現遺伝子プロファイルが異なることが知られている。しかしその一方で、部位や年齢による半月板の遺伝子発現プロファイルに関する報告例はごくまだわずかである。 我々は現在、膝関節手術より得られた半月板及び関節軟骨の切除検体を患者の同意を得た上で採集してmRNAを回収、こうして得られたmRNAサンプルを用いて、各部位・症例ごとにリアルタイムPCR等による発現遺伝子の定量的評価を進めている段階である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラットembryoの膝関節を用いた解析については、飼育設備や予算等の関係から次年度以降に見送ることとした。
|
今後の研究の推進方策 |
膝関節手術より得られた半月板及び関節軟骨の切除検体の遺伝子発現プロファイルの解析を引き続き進めるとともに、ラットembryoの膝関節を用いた解析も開始する方針である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
ラットembryoを用いた解析を次年度以降に見送ったため
|