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2018 年度 実施状況報告書

腱再生を担う細胞群の特性と再生制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K10956
研究機関東京大学

研究代表者

上原 浩介  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20599063)

研究分担者 森崎 裕  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30508099)
矢野 文子  東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (80529040)
張 成虎  東京大学, 医学部附属病院, 登録研究員 (80780551)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード腱 / 腱再生 / LMD
研究実績の概要

腱の再生メカニズムを解明するべく、アキレス腱再生モデルによる実験を行なっている。アキレス腱を全切除して経時的に再生する組織を観察したところ、肉眼的には明らかに正常腱とは異なっており、組織学的にもコラーゲンの配向性は保たれておらず、異所性石灰化を伴っていた。免疫染色やRealtime PCRにおいても腱細胞マーカーであるTnmdやScxは発現が乏しく、軟骨細胞マーカーであるSox9や骨芽細胞マーカーであるRunx2の発現が有意であった。続いて各段階での再生組織から細胞を単離し、腱再生に関与する細胞群を同定するためFACSでの細胞のソーティングを試みたが、細胞のソーティング用いるマーカーの選択に難渋し、細胞のクラスター化を行うことが困難であった。そこで、LMDで異所性石灰化部と再生腱部を採取し、RNAシークエンスを行いそれぞれの遺伝子発現を比較することで腱再生に有用な候補遺伝子の選定につなげようと試みたが、再生腱部が多種多様な組織を含むためか、複数サンプル間で一定した結果が得られなかった。in vivoのデータから腱の治癒に関わる候補遺伝子が抽出されないことにはin vitroの実験も進行が困難であるため、今後さらに数を増やしてLMDを再度行うことを検討している。in vivoの実験結果を待つ間には、工学部と共同してアキレス腱切除モデルに薬剤を徐放する系を確立しておく予定である。現時点でポリマーとゲルによる薬剤徐放手段を持ち合わせているため、実際の実験までにどちらが最適か検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度FACS・LMDの結果から腱再生因子の候補を選定し、リコンビナントタンパクなどを使用して実験を進めていく予定であったが、それぞれの結果の解釈に難渋していることが進捗状況の遅れにつながったと考えている。

今後の研究の推進方策

申請時の予定からは遅れているが、基本的には予定通りに研究を進めていく予定である。
LMDの結果を待ってin vitroの実験につなげる予定であったが進捗が遅れているため、各種細胞を用いて元々有望と考えていたTGF-βシグナルのアクチベーター、BMPシグナルのインヒビターを用い腱方向への分化促進に働くか検討する。また、細胞伸展装置を用いた力学的ストレス負荷実験も行う。これらの結果をin vivoの結果と照合し、実験の進捗へと繋げてゆきたい。

次年度使用額が生じた理由

理由:in vivoの結果がやや遅れているため、in vitroの実験に用いる予定であった費用をまだ使用していないため。
使用計画:LMDのサンプルの追加や予定しているin vitroの実験に使用する予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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