研究課題
昨年度に引き続き腱の再生メカニズムを解明するべくアキレス腱再生モデルによる実験を行なった。腱再生に関わる細胞群を同定するために行ったFACSによる細胞分離はマーカーの選定の問題で困難であったため、アキレス腱全切除後に経時的に再生してくる異所性軟骨・石灰化を伴う線維性組織をLaser micro dissection法を用いて採取し、RNAシークエンスに提出した。前年度までの結果では正常腱と比較して有意な差が見られる遺伝子や分子シグナル群には一定の傾向が得られなかったがサンプル数を増やすことで、再生腱では部位によって異なるものの遺伝子レベルでは腱や軟骨の潤滑性の維持に重要なPrg4やMmpsを始めとした炎症性サイトカインなどが有意に増加していた。そして分子シグナルにおいても部位別にTGFβシグナルやBMPシグナルなどが正常腱と比較して有意に亢進してることが分かった。最終年度である本年度の研究ではアキレス腱全切除後の再生組織と正常腱におけるプロファイルの差異を同定することが出来た。FACSやRNAシークエンスのサンプル数の確保の問題があり実験の進行が遅延してしまったため、予定期間内においては腱再生のメカニズムの解明には至らなかったが、今後の後続研究事業においては、アキレス腱再生モデルより生理的な系を探索し、その系にこれまでに得られた知見を用いることで腱再生のメカニズムの解明に繋げてゆきたいと考えている。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件)
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