研究実績の概要 |
ヒトmicroRNA-34a,microRNA-29a,microRNA-143 cDNAをVSVゲノムDNA (pVSV-NX2, NC001560) に大腸菌を用いて挿入し、全長のDNAプラスミドを作成した。これをヘルパープラスミドであるpIRES-L, pIRES-N, pIRES-Pと共にT7 RNA polymeraseを発現するHamster腎由来BHK細胞に導入して、組換えウイルスを作成した。 各種力価のVSV-microRNA-34a,microRNA-29a,microRNA-143をヒト由来培養骨肉腫細胞、マウス由来培養骨肉腫細胞 (LM8) に感染させてmicroRNA発現量を測定したところ経時的に各々microRNA発現増幅を認めた。さらに、各種力価のVSV-microRNAを各種骨肉腫細胞に感染させて細胞増殖能 (MTT assay)、細胞浸潤・細胞遊走能 (Cell Invasion Migration Assay) を行ったところ、VSV-microRNA-143において、5×10-4 MOIでの投与時はVSV投与群と比較して有意に強い細胞毒性を認め、遊走能についても有意な抑制を示した。結論として、Tumor suppressor microRNAを組み込んだVSVは一部の用量では抗腫瘍効果が増強するものの、その用量の幅はせまく、Tumor-suppressor microRNA組み込みによる相乗効果は、大きくはなかったものの、ある程度の相乗効果を示した。
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