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2018 年度 実施状況報告書

IL-18の新たな生理作用の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K10991
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

寺田 信行  兵庫医科大学, 医学部, 名誉教授 (50150339)

研究分担者 山田 直子  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
西浦 弘志  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90284760)
山根木 康嗣  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00434944)
中正 恵二  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00217712) [辞退]
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードIL-18 / 骨肉腫 / 転移 / CXCL9 / CXCL10
研究実績の概要

IL-18はマウス骨肉腫の転移を抑制し、IL-18投与マウスの血清中にIL-18誘導性がん転移抑制シグナルが見出された。がん転移抑制シグナルの同定には抗体アレイを用い複数のシグナル分子の存在が確認された。本研究ではCXCL9とCXCL10がIL-18により誘導されるシグナル分子の候補として考えられ、その真偽を確かめた上で、これらの作用を明らかにする。さらに、我々が提案するIL-18による宿主のがんが”転移しにくい環境作り” という新たな概念の妥当性検証と、その実行におけるIL-18の役割を証明し、その生理的意義を明らかにする。
これまでのin vitroの実験でCXCL9,CXCL10のレセプターであるCXCR3はマウス骨肉腫細胞LM8やマウス血管内皮細胞b.end3,MS1に発現していることを確認した。しかし培養液にCXCL9、CXCL10を添加しても3種の細胞の増殖に変化は見られなかった。また血管内皮細胞と骨肉腫細胞の接着にも影響も見られなかった。さらに細胞引っかき実験では、CXCL9の添加では変化がみられなかったが、CXCL10の添加で遊走能抑制効果が見られた。またBoyden chamberを用いた浸潤アッセイでは、血管内皮細胞と共培養した時に浸潤抑制効果が見られた。In vivoの実験ではC3Hマウスの尾静脈から骨肉腫細胞を注入して肺転移を起こさせる転移モデルを用い、3週間後の肺転移数を調べることで評価した。これまでにIL-18は骨肉腫細胞に先行して5回投与しても肺転移を抑制することが分かっている。そこで骨肉腫細胞注入に先行してIL-18単独投与、IL-18と抗CXCL9または抗CXCL10中和抗体を共投与した。その結果IL-18単独投与では肺転移が抑制され、抗CXCL9ではなく抗CXCL10抗体の共投与でわずかに転移の増加が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitroの実験を進めることで、IL-18の転移抑制シグナルが、血管内皮細胞を介した骨肉腫腫細胞の遊走能や浸潤能の抑制に作用していることが明らかになってきた。また、in vivoの実験によりCXCL10がCXCL9よりも転移抑制効果が見られることも分かってきた。今後はそのメカニズムを解明していけばいいと考えている。

今後の研究の推進方策

in vitroの実験において骨肉腫細胞単独ではCXCL9,CXCL10による影響が見られなかったが、血管内皮細胞と共培養することにより、遊走や浸潤に効果が見られた。このことから再度実験を行うと共に、転移や細胞接着等に関連する遺伝子の発現を調べていく。また、in vivoの実験では、IL-18単独投与では肺転移が抑制され、中和抗体1ug/dayでは有意差は見られなかったが、10ug/dayでは抗CXCL10抗体の共投与でわずかに転移の増加が見られた。このことから、中和抗体の投与量をさらに増やした実験を行い、IL-18誘導性がん転移抑制シグナルとしてのCXCL9,CXCL10の可能性を明らかにしていく。

次年度使用額が生じた理由

中和抗体やリコンビナントタンパク質をバルク注文することで購入費を抑えたので、マウスの購入費用に次年度使用する予定にしている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マウス骨肉腫に対するIL-18誘導性がん転移抑制シグナル2018

    • 著者名/発表者名
      山田 直子、平山 円、山根木 康嗣、西浦 弘志、藤原 勇輝、中正 恵二、寺田 信行
    • 学会等名
      第41回日本分子生物学会年会

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公開日: 2019-12-27  

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