研究実績の概要 |
昨年までに行った詳細な組織学的検討結果をもとに、蛍光二重染色法によるToll様受容体陽性細胞の同定を行った。Toll様受容体1-9,T細胞マーカー(CD3),B細胞マーカー(CD20),マクロファージマーカー(CD68),樹状細胞マーカー(DC-LAMP,CD123)の蛍光二重染色法により,共焦点レーザ蛍光顕微鏡を用い,Toll様受容体陽性細胞を同定した。特に、薬剤耐性関節リウマチ群では、早期発症関節リウマチ群と比較してToll様受容体陽性細胞の割合が高かった。特に、TLR-2、TLR-4、TLR-6、TLR-9の割合が高かった。 次に、RT-PCR法によるToll様受容体陽性細胞の検出を行った。Toll様受容体1-9のRNAを定性的,定量的に検出した。プライマーからリバーストランスクリプターゼ法によりcDNAを作製し、cDNAをテンプレートとしてLight-Cyclerで定量的なPCRを行った。 発症早期と薬剤耐性期の関節リウマチ患者における末梢血と滑膜組織,関節液を用い,Toll様受容体1-9,T細胞マーカー(CD3),B細胞マーカー(CD20),マクロファージマーカー(CD68),樹状細胞マーカー(DC-LAMP,CD123)各細胞のFACS sortingを行い,その発現強度,炎症性メディエーター (IL-1, IL-2, IL-6, IL-17, IL-21, IL-23, TNF-α, INF-γ,VEGF-A, EGF, VCAM-1, MMP-1, MMP-3, YKL40, Leptin, Resistin)の発現を解析し、IL-6、TNF-α, INF-γ,VEGF-Aなどの炎症性サイトカインの発現がそれぞれ増加していることを明らかにした。
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