研究課題/領域番号 |
17K11000
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
古賀 大介 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 非常勤講師 (60422482)
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研究分担者 |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (20323694)
麻生 義則 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座准教授 (50345279)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 閉経 / PAI-1 / 骨粗鬆症 |
研究実績の概要 |
本研究ではマウスを用いた骨粗鬆症モデルを作成し、PAI-1阻害剤を投与することにより、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死の治療、予防効果を検証することを目的とした。生後8週の雌C57BL6/Jマウス30匹を、Sham手術+溶媒投与群(S+V)、卵巣摘出+溶媒投与群(OVX+V)、卵巣摘出+PAI-1阻害剤投与群(OVX+P)に分けた(n=10)。手術直後からPAI-1阻害剤浮遊液、あるいは溶媒をゾンデにて経口投与した。術後2週で採尿しCTX-1濃度をELISAで計測した。術後6週で屠殺し、大腿骨をmicroCT, 脛骨と腰椎を非脱灰組織解析にて解析した。骨髄細胞をFACSにより解析した。大腿骨、脛骨、腰椎においてすべて、OVX+V群では有意に骨量が低下したが、OVX+P群では回復した。術後2週の尿中CTX-1濃度は、OVX+V群、OVX+Pにて共に増加し、両者間に有意差はなかった。骨形態計測の結果、骨形成の指標はSham+V群と比較してOVX+V群にて増加していたが、OVX+P群では更に増加していた。FACS解析の結果、骨髄中のSca-1およびCD140a陽性の間葉系幹細胞がPAI-1阻害剤により増加していた。PAI-1阻害剤はマウス卵巣摘出モデルにおいて骨形成を刺激することにより骨量を回復させた。すでにヒトでの安全性は確認されており、骨粗鬆症の治療薬として有力な候補となりうる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
卵巣摘出マウスに対してPAI-1阻害剤を投与し、骨量維持効果を証明することができた。骨髄除去モデルに対しても、骨量の回復を促進する効果が認められた。
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今後の研究の推進方策 |
・マウス糖尿病骨粗鬆症モデルに対するPAI-1 阻害剤投与効果の検証 ・マウスステロイド性骨粗鬆症モデルに対するPAI-1 阻害剤投与効果の検証 ・ラットステロイド誘発性骨壊死モデルに対するPAI-1 阻害剤投与効果の検証
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は小額で端数である。消耗品購入に充当する。
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