研究課題/領域番号 |
17K11005
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
海渡 貴司 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70623982)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生体内イメージング / 異所性骨化 / BMP / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
研究実績の概要 |
骨再生の分野において、強力な骨形成能を有する骨形成因子(BMP)は欧米では広く臨床使用される。しかし、骨形成以外に炎症反応を伴うため、それに関連した有害事象が多く報告される。我々は、BMP誘導異所性骨化の生体内イメージングの系を確立し、効率的なBMP誘導異所性骨化を達成する手法を検証している。 現在までの研究により、BMP誘導異所性骨化の二光子励起顕微鏡を用いた生体内イメージング手法を世界ではじめて確立し、骨代謝作動薬であるPTH1-34が骨芽細胞運動・数、破骨細胞運動・数、コラーゲン形成に与える動的影響を定量的に示すことに成功した。これら結果を科学雑誌に投稿し現在改訂中である。骨芽細胞によるコラーゲンの形成においてもコラーゲン配向性の経時的変化を定量評価し、またPTH1-34がコラーゲン配向変化を促進することを示した。 これら研究から、破骨細胞は細胞運動や骨芽細胞とのコンタクトにより、骨吸収活性を変化させる可能性が示唆された。この知見に基づき、現在PTH1-34の投与間隔の変化が異所性骨形成に与える影響を同生体内イメージングの手法を用いて解析し、骨芽細胞と破骨細胞のコンタクトを定量分析している。骨形成関連細胞同士のコンタクトが細胞機能に与える影響が明らかとなれば、新規治療法の開発も期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りに研究は進み、1篇をCommunications Biologyへ投稿、現在revise原稿の準備中である。また、同一モデルを用いたPTH1-34投与間隔が骨形成に与える影響をin vivo imagingの手法で明らかにする研究も最終解析の段階まで進行している。
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今後の研究の推進方策 |
Communications Biologyに関するrevise研究を2019年5月までに完了し改訂原稿を投稿する。また、PTH1-34投与間隔に関する論文は2019年夏頃を目処に初回投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
異所性骨化の可視化のために用いる蛍光標識マウスをMaryland大学から搬入手続きをすすめているが、手続きが遅れ2018年度での導入が実施できなかった(70万円予定)ことおよび、論文採択、掲載費として30万円を予定していたが、現在revise中であるためそれらの支払いが生じなかったことが差額が生じた大きな要因となります。蛍光標識マウスは2019年度早期に導入予定であり、論文revise投稿も2019年度早期に完了予定しており、差額分は2019年度早期に使用させていただく予定である。
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