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2019 年度 実施状況報告書

転移性骨腫瘍の骨リモデリングに対する炭酸ガス療法の効果について

研究課題

研究課題/領域番号 17K11006
研究機関神戸大学

研究代表者

原 仁美  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40437489)

研究分担者 河本 旭哉  神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (30420558)
深瀬 直政  神戸大学, 医学部附属病院, その他 (60579324) [辞退]
秋末 敏宏  神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
川上 洋平  神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (50626570)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード経皮的炭酸ガス治療 / 転移性骨腫瘍 / 乳がん
研究実績の概要

これまでの我々の研究結果において、乳癌骨転移モデルマウスを用いて経皮的炭酸ガス投与を行ったところ、骨破壊の進行が抑制された。本研究ではその骨破壊 抑制メカニズムをさらに明らかにすることを目的とし、転移性骨腫瘍に対する新たな治療法として、経皮的炭酸ガス療法を確立することを目指す。乳癌骨転移モ デルマウスを作成し、経皮的炭酸ガス治療群とコントロール群で骨転移部の骨形態学的、質的評価を行い、摘出した組織で病理組織学的、分子生物学的に低酸素 環境の評価、骨吸収および骨リモデリングの評価を行うことを計画した。今年度は、乳癌骨転移モデルマウスを作成して、経皮的炭酸ガス治療群で腫瘍の増大が 抑制されていたことを腫瘍サイズ、マイクロCT画像で確認した。治療後のヌードマウスから脛骨を摘出し、病理標本の作成と、病巣部の組織採取を行い、HE染色 にて病理学的に骨破壊の評価を行った。さらにHIF-1α免疫染色を行い、骨転移部の低酸素環境の評価しTRAP染色にて破骨細胞による骨吸収の評価を行った。 RANKL, IL-1β, IL-6, IL-8の骨リモデリング関連因子の免疫染色を行いそれらの発現を調べた。本年度に行ったin vivoの実験系の結果と、昨年までのin vitro の結果を合わせて、研究成果について論文に投稿した。Takemori T et al. ONCOLOGY REPORTS 40: 2079-2087, 2018

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ計画通りに研究計画を進めることができ、結果について論文報告を出来たことから、研究の成果を発信できたと考えている。

今後の研究の推進方策

本研究は、乳癌骨転移モデルにおける経皮炭酸ガス治療の効果を調べることであった。研究の成果を踏まえてさらに他のがん腫においても同様の効果が得られるのか、異なるがん腫の骨転移モデルを作成して研究計画を進めていく。がん腫による効果の違いが認められた場合にはその原因を追究していくことで骨転移の病 態についての新たな発見が期待できる。現時点では、乳がんに並んで骨転移をきたしやすく、骨硬化型の骨転移をきたす前立腺がんに対する研究を検討している。我々の過去の経皮炭酸ガス治療の研究成果を合わせて、実臨床につなげていきたい。骨転移は一般的に脊椎発生が多いが、経皮炭酸ガス治療を体幹に行うことは現時点では困難である。そのために、具体的な臨床研究として、四肢骨発生のがん骨転移症例に対する経皮炭酸ガス治 療の効果を調べる計画を検討する。四肢の経皮炭酸ガス治療は過去の研究において安全性が確立されているため治療効果についてさらなる臨床研究を進めていく方針である。

次年度使用額が生じた理由

購入予定であった細胞株が予定より安価であったため。

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公開日: 2021-01-27  

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