研究実績の概要 |
先行研究(Ishidou Y, etal. Arch Osteoporos. 2017 Dec;12(1):30.)で、高齢発症の変形性股関節症では骨形成能の弱いatrophic typeが多く、臼蓋形成不全の要素が小さい一方で骨盤後傾斜が多いことがわかっていたので、骨密度に影響を与える関節荷重部表面の応力分布を調べるため、27例の3D-CTモデルを用いて有限要素解析を行った。その結果、臼蓋形成不全股の応力は正常股の約1.2倍に上昇していること、正常股関節でも、加齢に伴い骨盤が後傾すると約1.3倍に上昇することが明らかとなった。 hypertrophic typeとatrophic type の人工股関節手術症例(各10例)より、非荷重部軟骨下骨組織を採取してRNAを抽出し、マイクロアレイ(外注)にて遺伝子発現プロファイリングを行い、atrophic typeで発現が亢進している分子を検索するため、学内の倫理委員会に倫理審査の申請を行ったが、研究代表者の退職が決まり、異動先の中山整形外科が研究継続不可能な施設であったため、倫理審査を取り下げ、また本研研究費も返還するに至った。 また、遺伝子解析後に行う予定であった培養細胞系でのアッセイを立ち上げ、免疫組織化学の予備実験のために研究費を使用した。
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