研究課題/領域番号 |
17K11021
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
南 陽一 近畿大学, 医学部, 助教 (40415310)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 体内時計 / 軟骨 / 発光リズム |
研究実績の概要 |
平成30年度においては軟骨における体内時計の種を超えた普遍性を検討する目的で、前年度まで進めてきたマウス軟骨の体内時計の発光リズム測定に加え、ラットを用いた計測を試みた。このために、体内時計Period2(Per2)のプロモーター下で不安定型ホタルルシフェラーゼ(destabilized Luciferase, dLuc)を発現するラット(Per2-dLuc)を用いた実験を行った。 Per2-dLucラットは発光を観察することで、Per2mRNAの発現をモニターする。一方で、これまで用いてきたPER2::Luc ノックイン(K.I.)マウスでは、PER2タンパク質の挙動をモニターする。そこで、Per2-dLucラット、およびPER2::Luc K.I.マウスの胎仔線維芽細胞を作成して比較したところ、いずれも明瞭な概日振動を示したが、ラットにおいては、マウスより数時間早くピークが観察された。これは、PER2タンパク質の発現ピークがPer2 mRNAよりも4時間程度遅いという報告と一致した。 Per2-dLucラットを用いて大腿骨や脊椎の器官培養を行って、発光リズムを観察した。その結果、大腿骨骨端部、関節部、椎間板に、明瞭な概日振動が確認された。このことから、種を超えて軟骨に体内時計が存在することが支持された。さらに、耳介や喉頭蓋などを採取して、発光を経時的に測定した結果、軟骨部に明瞭な概日リズムが観察された。このことから、硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨、いずれにも概日時計の自律振動が存することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種を超えた軟骨の体内時計の存在を確認できたこと、および、当初の目的通り、硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨、それぞれにおける体内時計の存在を確認できたことから、想定よりはやや遅延気味ではあるものの、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度においては、若齢動物と新生仔の比較を含めた検討を進め、成果報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な実験を慎重に検討しながら進めた結果、使用予定額の一部を次年度に使用する見込みとなった。研究の進捗を鑑み、平成31年度の実験における消耗品費に充当する。
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