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2017 年度 実施状況報告書

活性型ビタミンD3誘導体:エルデカルシトールの永久軟骨細胞に対する作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K11024
研究機関大阪市立大学

研究代表者

大田 陽一  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50633484)

研究分担者 洲鎌 亮  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (00779457)
箕田 行秀  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90453133)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード活性型ビタミンD3誘導体 / 永久軟骨細胞
研究実績の概要

本研究では、活性型ビタミンD3 誘導体(エルデカルシトール)の軟骨細胞、特に永久軟骨細胞に対する作用機序の解明を行うことにより、その関節軟骨変性予防効果に関するメカニズムを追及することを目的とする。本年度ではこれまでに行ってきたマウス変形性関節症誘導モデルを用いた、活性型ビタミンD3 誘導体の関節軟骨変性に及ぼす影響を引き続き検討を重ねた結果、活性型ビタミンD3誘導体の局所関節内投与により、早期における関節軟骨変性予防効果を解明し論文発表(Biochem Biophys Res Commun. 2018 ;495(1):179-184.)を行った。組織免疫染色の結果、活性型ビタミンD3誘導体投与により関節軟骨表層における、転写因子ErgやLubricinの発現が増強されたことから、活性型ビタミンD3誘導体の関節軟骨変性予防効果は永久軟骨細胞である関節軟骨表層細胞をターゲットとしていることが考えられるため、さらにin vitroにおける研究をすすめている。生後3-5日のマウス骨端部の軟骨細胞を単離した後、fibronectinのaffinityの相違によりソーティングを行い、表層細胞(surface layer cell)とその深層にある成長軟骨細胞に分離することに成功した。分離した表層軟骨細胞に活性型ビタミンD3誘導体(1α,25-dihydroxy-2β-(3-hydroxypropoxy) vitamin D3);濃度:10-8 M添加後5日のRNAを回収しtype10コラーゲンの発現について検索した結果、活性型ビタミンD3誘導体非投与細胞と比較してその発現量は低下する傾向にあった。今後活性型ビタミンD3誘導体の濃度としては10-8 Mを中心に研究を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス変形性関節症誘導モデルを用いたin vivo研究から、軟骨変性早期において、活性型ビタミンD3誘導体は関節軟骨表層に影響を与えていることが考えられたが、in vitroにおける関節軟骨表層細胞分化に対する活性型ビタミンD3誘導体の培養条件等の検索が当初の予定よりやや遅れていると考えている。

今後の研究の推進方策

関節軟骨表層細胞分化に対する活性型ビタミンD3誘導体の効果について関節マーカーを中心としてさらに検討を行う。今後はそれら条件をもとに活性型ビタミンD3誘導体投与下培養を行った関節軟骨表層細胞(永久軟骨細胞)を一塊としてヌードマウスの皮下に細胞移植し、形成されたペレットを組織学的に解析するin vivo研究を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

(理由)本年度に予定していた、活性型ビタミンD3誘導体による関節軟骨表層細胞分化に対するin vitroの実験が遅れていたため、その実験に必要な備品、消耗品等の購入をしていなかったため。
(使用計画)関節軟骨表層細胞の細胞移植実験に必要な備品、消耗品や組織学的研究に必要な試薬、抗体等、実験動物としてヌードマウスの購入に使用する。また、生後3-5日のマウス骨端部の軟骨細胞の単離を行うため、実験動物としてC57BL/6J妊娠マウスやの購入にも使用する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Effect of eldecalcitol on articular cartilage through the regulation of transcription factor Erg in a murine model of knee osteoarthritis2018

    • 著者名/発表者名
      Yamamura Kazumasa、Ohta Yoichi、Mamoto Kenji、Sugama Ryo、Minoda Yukihide、Nakamura Hiroaki
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 495 ページ: 179~184

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2017.10.155

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Local Efficacy of Periarticular Morphine Injection in Simultaneous Bilateral Total Knee Arthroplasty: A Prospective, Randomized, Double-Blind Trial2017

    • 著者名/発表者名
      Iwakiri Kentaro、Ohta Yoichi、Kobayashi Akio、Minoda Yukihide、Nakamura Hiroaki
    • 雑誌名

      The Journal of Arthroplasty

      巻: 32 ページ: 3637~3642

    • DOI

      10.1016/j.arth.2017.07.020

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficacy of a Pelvic Lateral Positioner With a Mechanical Cup Navigator Based on the Anatomical Pelvic Plane in Total Hip Arthroplasty2017

    • 著者名/発表者名
      Iwakiri Kentaro、Kobayashi Akio、Ohta Yoichi、Minoda Yukihide、Takaoka Kunio、Nakamura Hiroaki
    • 雑誌名

      The Journal of Arthroplasty

      巻: 32 ページ: 3659~3664

    • DOI

      10.1016/j.arth.2017.06.033

    • 査読あり
  • [学会発表] 活性型ビタミンD3誘導体(エルデカルシトール)の転写因子Ergを介した関節軟骨細胞に与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      山村 一正、大田 陽一、真本 建司、箕田 行秀、洲鎌 亮、中村 博亮
    • 学会等名
      第32回 日本整形外科学会基礎学術集会
  • [学会発表] β-TCPを担体としたrh-BMP-2局所投与とZoledronate全身投与の併用による骨髄内環境下骨形成促進効果2017

    • 著者名/発表者名
      真本 建司、大田 陽一 、上山 秀樹 、市川 耕一、今井 祐記、箕田 行秀、高岡 邦夫 、中村 博亮
    • 学会等名
      第32回 日本整形外科学会基礎学術集会
  • [学会発表] セメントレス人工関節置換術後における ステム周囲の経時的骨密度変化 -CORAILステムでの検討-2017

    • 著者名/発表者名
      大田 陽一、箕田 行秀、洲鎌 亮、山村 一正、中村 卓、上山 秀樹、竹村 進、久保 卓也、中村 博亮
    • 学会等名
      第44回 日本股関節学会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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