• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

コラーゲン由来生理活性ペプチドの軟骨分化調節メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K11025
研究機関城西大学

研究代表者

中谷 祥恵  城西大学, 薬学部, 助教 (20453425)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードコラーゲン加水分解物 / プロリルヒドロキシプロリン / ヒドロキシプロリルグリシン / 間葉系幹細胞 / 骨分化 / 骨 / 分化
研究実績の概要

骨髄中には体性幹細胞の一種である間葉系幹細胞 (MSC) が存在し、必要に応じて骨芽、脂肪、軟骨細胞へ分化する。コラーゲン加水分解物 (CH) は摂取後、血液中にProlyl-Hydroxyproline (PO) 及び Hydroxyprolyl-Glycine (OG) などのジペプチドとして検出されることが報告されている。PO及びOGは骨芽細胞の分化促進、脂肪細胞の脂肪滴縮小などの生理機能を有することがin vitroの実験で明らかになっている。今年度は、PO及びOGが骨髄由来間葉系幹細胞 (BMSC) の骨芽細胞及び脂肪細胞分化に与える影響を検討した。
d週齢雄性マウスの大腿骨から骨髄液を採取し、10%FBS含有αMEM培地で3 日間培養した。その後、接着細胞をBMSCとして培養した。BMSCを96 well plate に2.0 - 6.0×104 cells/well で播種した。1日後に、CH、PO、OGを添加し、同時に、骨分化誘導剤もしくは脂肪分化誘導剤存在下で8日間培養した。8日後、骨芽細胞分化をAlizarin Red (AR) 染色で、脂肪細胞分化をOil Red O (OR) 染色で評価した。
マウスの骨髄から得た接着細胞は、骨芽、脂肪、軟骨細胞への分化が確認され、フローサイトメトリー解析によるMSCポジティブマーカーの発現も認められたことからBMSCであることが確認された。このBMSCを用いて骨分化誘導剤及び脂肪分化誘導剤存在下でそれぞれ培養したところ、AR染色陽性骨芽細胞及びOR染色陽性脂肪細胞が確認された。この条件下で、PO及びOGを添加したところ無添加と比べいずれも骨芽細胞数を増加させた。以上の結果から、PO及びOGはBMSCから骨芽細胞への分化を促進することが示唆された。また、脂肪細胞への分化に関しては現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コラーゲン加水分解物およびその含有ジペプチドが間葉系幹細胞の骨への分化を促進し、脂肪への分化を抑制できる可能性を見出している。昨年度までの研究の結果、POやOGは軟骨および骨芽細胞の分化だけでなく、その大元となる間葉系幹細胞の分化にも影響を与えることを明らかにできた。また、予備的実験の段階ではあるが、POやOGは脂肪細胞への分化を抑制できる可能性も明らかにできた。
本年度は具体的な作用メカニズムについて検討する予定であり、順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

コラーゲン加水分解物は軟骨および骨芽細胞の分化だけでなく、その大元となる間葉系幹細胞の分化にも影響を与えることを明らかにできた。
現在、間葉系幹細胞は、骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞に各々分化する誘導剤を用いているが、今後は各誘導剤を混合するなどの条件で、2種類以上の細胞に分化する実験系を構築し、そこにPOおよびOGを添加した際に、骨、軟骨、脂肪のどの細胞に分化できるのかを検討する。
また、間葉系幹細胞の分化にPOおよびOGが与える影響を、骨分化および脂肪分化を制御する転写因子の発現等を検討することによって評価する。

次年度使用額が生じた理由

初年度に産後休業および育児休業を取得し、育児休業終了後に研究を再開したが、昨年度前半は研究ペースが出産前と同程度に戻すことができなかったため。昨年度後半は研究が軌道にのってきたので、順調に研究および予算を執行することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] コラーゲン加水分解物及び含有ジペプチドが骨髄由来間葉系幹細胞の分化に与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      新井 翔、中谷 祥恵、古旗 賢二
    • 学会等名
      第73回日本栄養・食糧学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi