研究課題/領域番号 |
17K11028
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 秀和 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (40317871)
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研究分担者 |
山本 謙吾 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10246316)
澤地 恭昇 東京医科大学, 医学部, 講師 (20571152)
遠藤 健司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (90266479)
松岡 佑嗣 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (50408126)
高松 太一郎 東京医科大学, 医学部, 助教 (90459561)
関 健 東京医科大学, 医学部, 助教 (40617669)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 椎間板性腰痛 / 神経成長因子 / 細胞外基質分解酵素 / 細胞内情報伝達 / DUSP-1 |
研究実績の概要 |
近年,椎間板性腰痛発症の分子機構として,椎間板の変性に伴い,疼痛伝達を担う神経線維が変性椎間板内側に侵入し,さらに疼痛感作が行われることが明らかになってきた.一方,我々は,腰痛治療に汎用される選択的COX-2阻害剤が,椎間板変性に関わる細胞外基質分解酵素発現や神経侵入を担う神経成長因子(NGF)発現をむしろ促進させ,逆に選択的COX-2阻害剤で抑制されるPGE2が,これらの発現を抑制することを明らかにし報告してきた.本研究では,PGE2による細胞外基質分解酵素およびNGFの発現制御の機序解明を目指し,炎症の細胞内情報伝達を担うMAPK (mitogen-activated protein kinases) (p38, ERK, JNK)を制御する内因性脱リン酸化酵素DUSP (dual-specificity phosphatase)-1に着目し検討を行い,DUSP-1の椎間板性腰痛に対する新規薬剤としての可能性を明らかにすることを目的とした.前年度までに,PGE2のMAPKのリン酸化に対する効果およびMAPKの細胞外基質分解酵素およびNGF発現に対する役割について検討し,PGE2がMAPKのリン酸化を抑制し,細胞外基質分解酵素およびNGF発現を減弱させることを明らかにした.一方,siRNAによりDUSP-1をknock downした場合,IL-1により誘導されるMMPsおよびNGF発現が有意に増強されることも明らかとなった.当該年度は,研究成果を国際専門誌に投稿すべく準備を進めてきた. 本研究成果は,有訴率の高い腰痛に対する新たな治療法の開発の礎となることが期待される重要な研究であると考えられる.
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