研究課題
本研究では、OXTを赤色蛍光タンパク(mRFP1)で標識したトランスジェニック(TG)ラットを用いて神経障害性疼痛モデルを作成し、OXTの合成および動態を評価した。ラットの坐骨神経を部分結紮することにより神経障害性疼痛モデルを作成し、無処置群と偽手術群を対照群とした。処置後1日、7日及び14日に灌流固定し、30μmの脳・脊髄切片を作成した。下垂体後葉(PP)、視床下部視索上核(SON)及び室傍核(PVN)におけるOXT-mRFP1蛍光輝度を測定し、OXT合成を定量評価した。また、患側L5脊髄後角Ⅰ-Ⅱ層におけるOXT-mRFP1陽性分泌顆粒数を計測し、OXTの軸索輸送を定量評価した。更に、処置後7日のOXT-mRFP1 TGラットを断頭し、12μmの脳凍結切片を作成後、in-situ hybridization法を用いて SONとPVNにおけるOXT及びmRFP1 mRNAの発現を定量評価した。OXT-mRFP1輝度はPP, PVN及びSONにおいて対照群と比較し坐骨神経結紮群で有意に増加していた。L5脊髄後角 OXT-mRFP1陽性分泌顆粒数は処置後7日および14日に対照群と比較し坐骨神経結紮群で有意に増加した。またSONとPVNにおけるOXT及びmRFP1 mRNAの発現は両者とも対照群と比較して坐骨神経結紮群は有意に増加した。神経障害性疼痛では視床下部におけるOXT合成が増加し、脊髄後角に作用するOXT分泌が増加していることがこの結果から示唆された。
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