研究課題/領域番号 |
17K11045
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
松川 隆 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (80209519)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 体温調節機構 / シバリング / アミノ酸 / 閾値温度 |
研究実績の概要 |
研究準備:以下を実施した。ウサギに酸素・亜酸化窒素・イソフルランを吸入させ、自発呼吸下に気管挿管する。その後、末梢静脈にカテーテルを挿入。ここより維持輸液を行い各種薬剤を投与。強制的に体温をコントロールする為のカテーテルを直腸内に挿入。保温しながら、リドカインにて局所麻酔後、皮膚を切開して大腿動脈を露出し確保。大腿動脈にカテーテルを挿入し、血圧・心拍数を測定。適宜、血液ガスデータを測定。ウサギをシバリング観察用の箱にゆるく固定。食道・皮膚・直腸に温度センサを留置し、体温測定を行う。Bispecxtral Index(BIS)センサを装着し、BISをモニタする。 研究:以下の手順で実施した。 (1)亜酸化窒素の投与を中止し、酸素・(窒素)・イソフルラン0.2MAC(minimum alveolar anesthetic concentration)にて麻酔を30分維持。(2)投与前データ(血圧・心拍数・呼吸数・体温・BIS値・血液ガスデータ)を取得。(3)各種薬剤の投与の調節実施。(4)冷却前データ(血圧・心拍数・呼吸数・体温・BIS値・血液ガスデータ)を取得。(5)直腸内に留置したカテーテルに冷水を流して体温を強制的に低下。(6)直視下でシバリングの発生を観察。(7)発生時のデータ(血圧・心拍数・呼吸数・体温・BIS値・血液ガスデータ)取得。(8)34℃まで体温を低下させてもシバリングが発生しなかった場合には、34℃において各種データを取り、実験を終了。 平成29年度(各群のウサギは12羽ずつ)の実施群 ①生食を持続投与する(コントロール群)。②アミノ酸を0.2mg/kg/h(ヒトで中枢温保持に有効とされている最小量)で持続投与する。③アミノ酸を0.4mg/kg/hで持続投与する。④アミノ酸を0.6mg/kg/hで持続投与する。4群間で、シバリング閾値温度の比較検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に沿って、研究を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究準備・研究の一般的な方法、役割の分担は平成29年度と同様である。平成30年度はMg(マグネシウム)を濃度の違いにより以下の3条件下でシバリングの発生閾値を調べる。 ①生食を持続投与する(コントロール群)。②Mg(マグネシウム)ををヒトでの臨床使用濃度に匹敵すると考えられる濃度で持続投与する。③Mg(マグネシウム)を上記②の濃度より10倍高い濃度で持続投与する。 の3群間で、シバリング閾値温度の比較検討を行う。 各群に割り当てるウサギは12羽ずつとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究を来年度も継続する必要があるため。
|