今回、モデルの確立に難渋し、水素投与効果の十分な検討には至らなかったが、根本的な体外循環モデルの修正を行った。具体的には動脈脱血、静脈返血を静脈脱血、動脈返血のより臨床に近いモデルとし、血行動態の管理も厳密にすることでより確実に水素投与検討が出来るようになった。また、体内組織の水素濃度の測定系を確立したことで、今後水素投与法の違いによる体内動態、臓器特異性などを検討することが可能となった。今後、水素療法の益々の研究促進、導入が見込まれる中、水素の体内動態を知ることは不可欠であり、本研究成果はその礎となると考えられる。
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