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2017 年度 実施状況報告書

蘇生後脳障害に対する新規ミトコンドリア標的型治療薬の開発と治療効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 17K11063
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

池田 浩平  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60792471)

研究分担者 三尾 寧  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00266686)
山田 勇磨  北海道大学, 薬学研究院, 准教授 (60451431)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード心停止蘇生 / 虚血再灌流傷害 / ミトコンドリア / Drug Delivery System
研究実績の概要

水溶性ビタミンであるビタミンB1(VB1)を封入したミトコンドリア標的型ナノカプセル(VB1-MITO-Porter)調製プロトコルを確立した。ナノカプセル調製はReverse Phase Evaporation Vesicle 法を用いた。本プロトコルは、水溶性ビタミンを効率的に封入する調製プロトコルの基盤技術になり得る。神経細胞(SH-SY5Y細胞)での細胞内導入能をフローサイトメトリーを用いて評価し、SH-SY5Y細胞に取り込まれやすい最適なナノカプセル組成を見出した。さらに、ミトコンドリア移行率を共焦点レーザー走査型顕微鏡を用いて観察評価したところ、ミトコンドリアへの効率的な移行が観察された。このVB1-MITO-PorterをSH-SY5Y細胞に投与後、継時的にATP産生能を評価したところ、VB1単独投与群と比較して有意にATP産生能を増強することを確認した。
2017年度は作製したVB1-MITO-Porterのマウス蘇生モデルにおける治療効果検証を前倒しで行った。引き続き、MITO-Porterの改良(粒子径、粒子表面修飾素子等)と、神経芽細胞腫SH-SY5Y 細胞および、マウス蘇生モデルにおける治療効果検証を継続して行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2017年度の当初実施計画は、VB1-MITO-Porterの構築と神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞における治療効果の実証である。現在、VB1-MITO-Porterの作製手法は確率している。In-vivoにおいてはVB1-MITO-Porterは、VB1単独投与と比較して、神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞ミトコンドリアにおけるATP合成能を1.5倍に上昇させることを確認している。さらにMITO-Porterの粒子内ビタミン濃度、粒子径、粒子表面修飾素子を調整することにより、マウス蘇生モデルにおける最適化を行っている段階である。

今後の研究の推進方策

VB1-MITO-Porterのマウス蘇生モデルにおける治療効果の検証を継続する。具体的には、蘇生後の生存率及び神経学的スコアでMITO-Porterの治療効果判定を行い、この結果をフィードバックするこによりVB1-MITO-Porterのカスタマイズを行う。さらに、VB1-MITO-Porterの投与が、蘇生後のマウス脳組織における神経細胞の脱落、変性と炎症細胞の浸潤を抑制するのかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

2017年度の当初計画に、研究打ち合わせのための旅費を算入していたが、実際は使用しなかった。次年度は繰越分を旅費に計上する予定である。

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公開日: 2018-12-17  

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