研究課題/領域番号 |
17K11073
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山本 雄大 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (50710026)
|
研究分担者 |
内田 篤治郎 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40262183)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 凝固検査 / 血液凝固 / トロンビン生成 / フィブリノゲン |
研究実績の概要 |
心臓手術の術中に採血した検体で、誘電コアグロメーターを用いて全血凝固検査を行い、ROTEMによる測定と比較し、さらに、術直後の血液の分析結果と術後のドレーンからの出血量の相関について検討するプロトコールで、前向きの臨床研究を行った。また、組織因子に対する血液の反応性についても、誘電コアグロメーターで評価を行い、血漿中のTFPI濃度との相関、トロンビン生成能との相関について検討した。 本研究の対象は、人工心肺を用いる予定心臓血管手術を受ける患者100名であり、(1)麻酔導入後手術開始前、(2)人工心肺終了後・プロタミンによるヘパリン中和の終了時、(3)閉胸後手術終了時に採血し、誘電コアグロメーターによる測定、ROTEMによる測定、血算、凝固検査用に分注し、それぞれ検討を行った。 本研究ではこれまでに誘電コアグロメーターにおけるClotting timeがCalibrated automated thrombogramによるトロンビン生成能を反映することが示されている。また、TFPIによりトロンビン生成能が抑制されている可能性が示唆され、これを誘電コアグロメーターで評価することができる可能性がある。 本研究で得られたデータから、人工心肺時間が長時間となる症例では手術終了時には線溶系抑制因子であるプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1が上昇する症例の割合が多いことが示された。人工心肺終了120分以降にPAI-1が上昇する傾向があることが示された。 さらに、本研究で得られたデータから、誘電コアグロメーターによって赤血球の連銭形成における誘電率の変化が血漿フィブリノーゲン濃度と相関することが本研究で示唆され、今後、分析を進め、研究成果の発表を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した前向き臨床研究において、臨床データ及び検体の採取について、当初予定された100例での施行が終了し、トロンビン生成能や凝固に関する指標についての測定が終了した。 現在、データの解析を行い、研究成果の発表を進めている。
|
今後の研究の推進方策 |
研究成果の発表を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
検体の測定のための物品費等の関係で、少額の次年度繰越額が発生したが、2020年度における論文作成費用(英文校正費用等)などとして使用していく予定である。
|