研究課題
細胞骨格F-アクチンの構成は、small GTPase-細胞骨格ターンオーバー調節物質制御経路およびPI3K-Akt-mTOR経路と、ミオシンフィラメントとの連関による平滑筋収縮経路という3経路の連関で制御を受ける。本研究では、ヒト腎動脈でこれら3経路の連関とその機序を検証し、発生機序が様々な血管でのストレス反応をユニバーサルに軽減するF-アクチン構成制御を指向した新たな心血管疾患治療戦略を提案する。また、それに及ぼす臨床使用濃度の麻酔薬作用を明らかにする。さらに、摘出ヒト腎動脈のアクチン制御3経路の変化と片腎での患者予後の関連や、術前心血管合併症の種類や程度、治療薬の有無あるいは麻酔薬選択を含む周術期管理の違いが周術期急性腎障害発生頻度や程度に影響を与えるかを調べるトランスレーショナルリサーチを行う。本年度は、各種麻酔薬による修飾効果の検討と臨床研究(臨床データ、患者背景、患者血液と基礎実験データの相関の評価)等を行った。臨床研究に関しては、組織提供者の心血管合併症の病状やそれに関係した術前心エコーでの拡張障害の程度などの臨床データと、これまでの基礎研究結果の相関を評価した。特に、本研究で着目した細胞骨格ターンオーバー調節物質リン酸化の程度、F-アクチン構成、内皮依存、非依存血管収縮拡張反応と酸化ストレス(あるいは細胞内カルシウムや一酸化窒素)の経時的変化に着目して比較検討した。実験の最終段階施行と結果のまとめ、研究総括を行った。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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