術後せん妄(POD)は生命予後に大きく影響するだけでなく、患者家族の精神にも影響を及ぼす。PODが生じると医療ニーズが著増し、医療設備やスタッフ不足が生じ、医療費増大に拍車がかかり、財政圧迫の大きな要因となる。しかし、現時点では決定的な治療法はなく、POD誘発因子の除去が中心である。本研究により、75歳以上の高齢者では手術終了時のビタミンCが減少している場合、酸化ストレスや炎症反応が高度となることにより、PODが発症する可能性が示唆された。よって、急性期に施行でき即効性のある薬理学的介入として、ビタミンCやステロイドを投与すればPODが抑制され、医療費増大を抑えることにつながるかもしれない。
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