心臓手術関連急性腎傷害(CSA-AKI)は死亡率の増加に関連しているにもかかわらず,臨床的に確立した治療法は未だない。私たちはこれまでの基礎研究で,重症病態における臓器傷害には,炎症性反応に加えて,酸化ストレスが関与することを発見しており、血液浄化療法に着目して新しい治療法の開発をおこなってきた。 今回の研究では、これらの成果の臨床応用に向けて、CSA-AKIの発症メカニズムについて検討した。結果として、人工心肺に伴う炎症反応、酸化ストレスが発症に大きく関与していることが示され、これまで開発してきた治療法である抗炎症作用および抗酸化作用に優れた血液浄化療法の臨床応用につながる成果となった。
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