深部静脈血栓症予防としての電気的筋肉刺激(以下EMS)の効果を家庭用簡易式電気的筋肉刺激を用い検討した。方法は健常ボランティア20人を対象にEMSを装着し、安静臥床時に比べ、肉眼的に筋収縮を起こした状態を続けた場合の下肢の血流うっ滞改善効果を検証した。測定項目は、EMS装着前、装着2分後、装着10分後の膝窩静脈と大腿静脈の最高流速と血液流量の変化を測定した。その結果、EMS装着10分後で膝窩静脈と大腿静脈の最高流速と大腿静脈の血液流量が有意に増加した。この結果から、家庭用の廉価EMSでも、10分以上の肉眼的筋収縮状態を続ければ、下肢の血流うっ滞は改善することから、深部静脈血栓の予防に有用である可能性が示唆された。 この研究結果は査読の上、2021年にMedical Engineering and Physics 92巻P.110-114(インパクトファクター2.24)に掲載された。
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