研究課題/領域番号 |
17K11097
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
中嶋 康文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70326239)
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研究分担者 |
中畑 克俊 関西医科大学, 医学部, 講師 (70332971)
中山 力恒 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90568198) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝子治療 |
研究実績の概要 |
本年は、過去の研究で有用と判明したmiRNAが、ターゲットとするタンパク質を同定する事で、妊娠高血圧症候群発症の新しい機序と、その役割を探求した。さらに、妊娠高血圧に対し、miRNAによる遺伝子治療(核酸創薬)の可能性を示唆する結果を得ることを研究目的にした。
過去の臨床研究論文により、妊娠高血圧症候群患者の胎盤及び血中エクソソームで変化したと報告のあったmiRNAのmimic (Pre-miRTM miRNA Precursor Molecules, Ambion社)と、そのmiRNAに特異的なmiRNA阻害薬(Anti-miRTM miRNA Inhibitor, Ambion社)を、ヒト血管内皮細胞(HUVEC, HMEC-1細胞)に遺伝子導入を行った。
miR Base等の検索サイトを用いて予測されるmiRNAのターゲットとなる(相補配列を有する)タンパク質の発現が変化していることを、培養細胞実験で確認した。遺伝子導入方法は、Nucleofection法(Amaxa, 現有設備。従来のElectroporation法を改良した手法)を用いた。実験結果として、リアルタイムPCR法でターゲットとなる特定のmRNAが変化している事を確認後、関連タンパク質の発現が miRNA mimicを遺伝子導入することで発現抑制され、miRNA阻害薬を遺伝子導入することで発現が増加することを、ウエスタンブロット法、フローサイトメトリー法により確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際の臨床研究を開始するに至っていないが、次年度に開始する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
正常及び妊娠高血圧症候群妊産婦を対象に、胎盤、及び血液中エクソソームからsmall RNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いてmiRNA発現の網羅的解析を行う。上記2群間の胎盤、末梢血中エクソソームのmiRNA発現変化の差を、多変量解析を用いて統計処理を行う。群間で、有意差のあるmiRNAの細胞内パスウェイ解析を行う予定にしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究に用いられる次世代シーケンサー関連試薬、micro RNA 関連試薬を購入予定であるが、以下のように大変高価である。 Ion PGM システム(次世代シーケンサー)関連試薬としてTotal RNA-Seq Kit v2(12反応) 144,000円、Ion RNA-Seq for AB Library Builder System 156,000円、Ion Xpress RNA-Seq BC 01-16 Kit 192,000円、Ion 318 チップ(半導体マイクロチップ)を用いた一回のランニングコスト 90500円 miRNA 関連試薬として、mirVanaTM miRNA Isolation kit 1kit(40回分)/44,000円、mirVana miRNA mimic 58,000円、mirVana miRNA Mimic Negative Control 57,000円、mirVana miRNA Mimic Positive Control 57,000円、その他の、PCR関連品、細胞培養実験に有する費用も大変高価である。
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