研究課題/領域番号 |
17K11100
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
前田 琢磨 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (20713126)
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研究分担者 |
野田 崇 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医師 (10443508)
吉谷 健司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (30524029)
大西 佳彦 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (40443501)
草野 研吾 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60314689)
亀井 政孝 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (60443503)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 低侵襲モニター / 心拍出量 |
研究実績の概要 |
心疾患は日本人の死因の中で第2位であるが、その中でも死亡数のトップは年間約7万人がなくなるとされる心不全である。この心不全に対する有効な治療として、心臓再同期療法(両心室ペーシング療法, cardiac resynchronization therapy: CRT)がある。CRTの血行動態改善の機序は、同期不全を両心室からのペーシングにより改善することにあり、患者の脳性ナトリウム利尿ペプチド(Brain natriuretic peptide: BNP)を低下させ、予後を改善する。しかし、CRTが無効な心機能非改善例がおよそ3人に1人存在し、予後不良因子となる。 従って、この心機能非改善例をできるだけ早期に診断し、対応することが心不全治療の鍵となる。 このため、低侵襲にかつ簡便に心拍出量を計測できるモニターの開発が試みられてきた。これらを生かし、CRT中での早期の心拍出量計測を考えた。まず、我々は低侵襲モニターがどの程度正確に患者心拍出量および患者予後を予測しうるかを検討することとした。CRTリード埋め込み術中に3D経食道エコー法で心拍出量をCRT前後で計測し、心拍出量の増加を認めた群においては術後6ヶ月におけるBNPが有意に低下していることを示した。また、2017年度には低侵襲モニターの代表格ともいえる、Flotrac/Vigileoが腹部大動脈手術のような術中に後負荷が大きく変動する場合には不正確であることを示した。引き続き、低侵襲モニターの正確性を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来ならば、クリアサイトの腹部大動脈手術における正確性についての患者エントリーが終了しているはずであったが、予想よりも患者数が少なかったため、この点については計画が遅れている。しかしながら、他の低侵襲モニターについての上述のような成果もあげており、それなりに進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、クリアサイトの腹部大動脈手術における正確性の研究については論文投稿を目指す。さらに冠動脈バイパス手術中の中程度低心機能患者におけるクリアサイトの正確性についての研究を開始する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
登録された患者が予想より少なく、クリアサイトの心拍出量モニターの購入が少なかったため。
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