現在までに、脳卒中のうち80%を占める虚血性脳梗塞に有効性が示されている治療法はtPAのみである。これまでに多大な資金をもとにした世界中の研究においても、有効な治療法・神経保護法はみつけられていない。特に、薬剤による神経保護効果はほぼ認められていない。しかし、今回の研究から、脳損傷後に投与したSirt2阻害剤は、実験的MCAOモデルで、オスマウスにおいて部分的脳虚血から脳梗塞巣を減少させることがわかった。このことは、限られた時間ではあるかもしれないが、脳梗塞発症後にも薬剤による治療が可能であることを示唆するものと考えられ、治療モデルを提示できたと考えられる。
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