研究課題/領域番号 |
17K11108
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高橋 亜矢子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70444544)
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研究分担者 |
井浦 晃 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40467551)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 変形性膝関節症 / 脊髄後角 / 興奮性シナプス伝達 |
研究成果の概要 |
モノヨード酢酸の関節内投与により誘導された膝関節症モデルマウスは、行動実験で膝痛を認めた。膝関節標本のサフラニン染色で軟骨組織の減少を認めた。脊髄スライスを用いたパッチクランプ法で脊髄後角膠様質細胞(SG細胞)より記録した微小興奮性後シナプス電流(mEPSC)は正常マウスと比較し、頻度、振幅に有意差を認めなかった。誘発性興奮性後シナプス電流(eEPSC)と、神経根入根部を一過性に高頻度刺激 (100Hz、1秒間)後のeEPSCを記録し長期増強(LTP)の有無を検証した。eEPSCの振幅は正常マウスと比較し変化がなかった。現在、mEPSCの減衰時間と、LTPについてデータ解析中である。
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自由記述の分野 |
疼痛メカニズム
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
変形性膝関節症の膝痛のメカニズムは、変形や炎症による膝局所が関与するだけでなく、中枢神経の可塑性変化が関与している可能性が示唆されている。しかし、そのメカニズムは未知な部分が多い。本研究では痛みの伝導路として重要な役割を果たす脊髄後角神経細胞における神経伝達が膝関節症に伴う膝痛によりどのような変化が起きているかを解析しており、これらの結果より、よりメカニズムに沿った新しい鎮痛薬の開発や、既存の薬物が膝痛の鎮痛薬として使用できる可能性について新しい知見をもたらす可能性が期待できる。膝痛によるADL低下を改善することは要介護の高齢者を減らすことにつながり、社会貢献につながると考える。
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