研究課題/領域番号 |
17K11110
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
塩川 浩輝 九州大学, 大学病院, 助教 (30572490)
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研究分担者 |
住江 誠 九州大学, 大学病院, 助教 (60792918)
辛島 裕士 九州大学, 大学病院, その他 (80380434)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | GIRKチャネル / パッチクランプ法 / 行動薬理学 |
研究実績の概要 |
今回の研究を行うにあたって、当施設における予備実験で、パッチクランプ法を用いた電気生理学的予備実験でGIRKチャネルに選択的な作動薬(ML297)が脊髄後角細胞の興奮を抑制することを発見し、GIRKチャネルをターゲットとした新たな鎮痛薬となりうる可能性を見出していた。今回、このML297が実際臨床応用が可能であるかどうかを確認するため、電気生理学的実験のみならず、新たな試みとして行動薬理学的評価も同時並行で行っていく方針とした。 1.電気生理学的実験 前述の如く申請者らは予備研究の結果、ML297が脊髄後角細胞を過分極させることを見出した。しかしこの現象が本当にGIRKチャネルの活性化によるものなのか検証出来ていない。そこで、脊髄後角細胞からパッチクランプ記録を行い、ML297により生じる作用がGタンパク質を介さず、直接カリウムチャネルを流出させることで生じているのか否かを解析中である。また、ML297による電流変化や興奮性シナプス応答発生頻度に関して用量作用曲線を求めるための実験を行っている。 2.行動薬理学的実験 脊椎におけるML297の鎮痛効果を評価するため、脊椎くも膜下腔にカテーテルを挿入したモデル動物の作成を試みている。また、カテーテルを通してML297を髄腔内投与することでラットの痛み閾値がどう変化するかを観察し、ML297の鎮痛薬としての有用性を評価することにしている。カテーテル挿入の成功率を上げるため試行錯誤している段階である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来行うべき電気生理学的実験のうち、スライス標本を用いたパッチクランプ実験に関しては順調に進んでいる。しかしながら、行動薬理学研究をおこなうほうしんとしたため、in vivoパッチクランプ実験は開始できていない。
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今後の研究の推進方策 |
行動薬理学的研究手技を確立し、早期に研究結果をまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
in vivoパッチクランプ実験に必要な物品を購入していないので、実験ができる状況になるめどが立ち次第、予算として使用する予定である。また、学会や論文発表にかかる費用(出版料、旅費など)の支出が見込まれている。
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