研究実績の概要 |
京都大学から提供を受けたPDXモデルであるKUCaPのうち、マウスの去勢を行うと、腫瘍が縮小する去勢反応性(CS)モデル2種類(KUCaP2,7)と、腫瘍が縮小しない去勢抵抗性(CR)モデル2種類(KUCaP4,6)の腫瘍組織において、RNA sequence法により網羅的遺伝子発現解析を行った(図3)。その結果、発現量に差のある遺伝子が多数同定された。それらのうち差が大きかった分子であるIL13RA2に注目した。 IL13RA2(インターロイキン13受容体α2)は、1996年にヒト腎臓癌細胞株Caki-1からクローニングされた380アミノ酸からなる1回膜貫通I型膜タンパク質である。、同分子については、京都大学泌尿器科学教室における腎癌PDXモデルを用いた研究により、スニチ療法耐性に関わる分子として報告している(Shibasaki et al. PLoS One 2015)。現在のところ前立腺癌に関しての報告はされておらず、新規マーカーや新規治療標的となる可能性がある。
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