• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実施状況報告書

尿路上皮がんの抗がん剤耐性におけるp38 MAPKの役割と新規阻害薬の応用開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K11139
研究機関広島大学

研究代表者

神明 俊輔  広島大学, 病院(医), 助教 (70749936)

研究分担者 松原 昭郎  広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (10239064)
亭島 淳  広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 准教授 (20397962)
安井 弥  広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (40191118)
林 哲太郎  広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 助教 (60612835)
仲 一仁  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (70372688)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード抗がん剤耐性 / 尿路上皮癌
研究実績の概要

p38の尿路上皮癌における血清マーカーおよび治療標的としての意義を明らかにすることを目標に、臨床病理検体を用いたp38およびリン酸化p38の発現を検討した。リン酸化p38の発現を免疫組織染色法で確認し、p38のリン酸化が抗がん剤(ゲムシタビン、シスプラチン)への抵抗性獲得に関与していることを明らかにしたので、シスプラチンおよびゲムシタビンの感受性とp38のリン酸化との相関を検討している。さらに尿路上皮癌細胞株から樹立したシスプラチン耐性細胞株およびゲムシタビン耐性株でのp38の発現を検討している。
またシスプラチンとゲムシタビン耐性株で感受性株と比較して、IFN/STAT1シグナルの遺伝子の高発現が認められたため、尿路上皮癌における抗がん剤耐性についてSTAT1 シグナルに着目し検討を行っている。
耐性株のSTAT1発現抑制による細胞増殖能を調べると、STAT1発現抑制は細胞増殖能を亢進させ、細胞周期解析でもG1期減少とS期増加を認めた。細胞周期関連蛋白質を調べると、STAT1発現抑制によってp27の発現低下を認めた。耐性株においてSTAT1シグナル亢進は、細胞周期抑制に働くことが明らかとなった。一方で、シスプラチンもしくはゲムシタビン投与下で耐性株のSTAT1発現抑制を行うと、細胞増殖能は有意に抑制され、アポトーシスが増加する結果であった。STAT1シグナルは抗がん剤耐性膀胱癌で亢進し、細胞周期の抑制によって抗がん剤耐性獲得に関与する。一方で、抗がん剤併用でのSTAT1発現抑制は抗がん剤感受性を回復させることから、抗がん剤とSTAT1抑制の併用療法は抗がん剤耐性を克服する新規治療法となる可能性があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シスプラチン耐性細胞株およびゲムシタビン耐性株でのp38の発現解析を行っているが、有意な差を見出せず他の遺伝子に着目して解析を進めているため。

今後の研究の推進方策

p38のみではなく抗がん剤耐性に寄与すると考えられるIFN/STAT1シグナルにも着目し臨床検体を用いて検討を行っていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] STAT1 シグナルは抗がん剤耐性膀胱癌で亢進し、STAT1発現抑制が抗がん剤感受性を回復させ、新規併用治療法となる2017

    • 著者名/発表者名
      林哲太郎、郷力昭宏、神明俊輔、ピーターブラック、井上省吾、亭島淳、松原昭郎
    • 学会等名
      第105回日本泌尿器科学会総会

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi