研究課題/領域番号 |
17K11141
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
杉元 幹史 香川大学, 医学部, 教授 (10243768)
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研究分担者 |
田岡 利宜也 香川大学, 医学部, 助教 (10403784)
筧 善行 香川大学, 大学本部, 学長 (20214273)
常森 寛行 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20380173)
加藤 琢磨 香川大学, 医学部, 助教 (70625673)
田島 基史 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (60524064) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 監視療法 / MRI |
研究実績の概要 |
様々な広報活動により、PRIAS-JAPAN研究への参加施設は増加してきている。現在はわが国で42施設がこれに参加している。それらの施設から年間約100例の患者が前立腺癌監視療法に登録されている。2019年12月末までに合計で約1,000例の患者さんが登録されている。現在は各施設のMRI実施可能状況に応じて、確定診断時および再生検前のMRIを、監視療法継続率または手術に移行した場合の病理所見との比較データを集積・解析中である。 オランダのPRIAS本体研究でも、MRIを用いた監視療法のデータが蓄積中であり、それと比較することで人種差についての新たな知見を得られる可能性がある。 さらにその基礎データとして、われわれの施設での前立腺全摘前のMRI所見と、全摘標本の病理所見の比較も進んでいる。術前MRIでPIRADSカテゴリー1または2の部位は、辺縁域では16%、移行域では35%であった。また、重要な所見として、辺縁域で癌陽性となったMRI部位では、高確率に臨床的に重要な癌が発見された。一方、移行域では癌陽性率は低かった。さらにPIRADSカテゴリーと篩状腺管(Cribriform)の存在率が相関していることもわかった。 すなわち、辺縁域の癌では、MRIカテゴリー1,2、つまりMRIでは悪性所見のない箇所でも、臨床的に悪性度の高い重要な癌が潜んでいることがわかった。現時点ではMRIのみでは、安全に生検を省略できないだろうと考えられる。このように、MRIを用いた監視療法プログラムの構築は基礎的データの蓄積とともに順調に進んでいる。
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