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2017 年度 実施状況報告書

前立腺がん細胞におけるCUL3システム破綻の解明と新規治療標的の創出

研究課題

研究課題/領域番号 17K11142
研究機関愛媛大学

研究代表者

菊川 忠彦  愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (70444734)

研究分担者 雑賀 隆史  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314676)
東山 繁樹  愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (60202272)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード前立腺がん / ユビキチンリガーゼ / SPOP / 質量分析法 / AlphaScreen法
研究実績の概要

前立腺がんと正常組織のエキソーム配列決定から、前立腺がんの約15%にSPOP変異が認められ、この変異が前立腺がんの新しい分子サブタイプの特徴となっている。SPOPはCullin3型E3ユビキチン(Ub)リガーゼ複合体の構成成分であり、基質特異性を決定する重要な機能を担う。平成29年度は、まずSPOPの基質全容の解明を目指し、アンドロゲン非依存性で悪性度が高いDU145とPC3細胞を用いて、SPOPにFLAGタグを導入した遺伝子プラスミドを作成・導入し、過剰発現DU145とPC3細胞を作成した。この細胞を可溶化し、抗FLAG抗体で免疫沈降後、電気泳動、ゲル内トリプシン消化を施し、質量分析を行った。また、本免疫沈降/質量分析法により同定されるタンパク質は、SPOPに直接的に結合するものよりは間接的に結合するものの方が多いことから、ビオチン化SPOPリコンビナントタンパク質を作成し、これをプローブとしてヒト2万タンパク質アレイを用いたAlphaScreenを施行した。その結果、本免疫沈降/質量分析法により約1000種のタンパク質を、また、AlphaScreen法により約200種のタンパク質を検出した。現在、これらのタンパク質について情報解析を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

平成29年度は、SPOPの基質探索を中心に計画・推進し、免疫沈降/質量分析法による包括的な分析を進め、有用な新規情報を入手することができた。しかし、本法による分析は、SPOPに直接的結合するものよりは間接的に結合するものの方が多く検出され、真の基質を直接的に同定する方法としては最適ではない。しかし、本法による情報は、真の基質の結合タンパク質を包括的に拾い上げることができることから、基質の機能を探索するには極めて重要な情報を与えてくれる。さらには、ビオチン化SPOPリコンビナントタンパク質をプローブとしてヒト2万タンパク質アレイを用いたAlphaScreenを断行し、約200種のタンパク質を検出した。この結果は、免疫沈降/質量分析法の結果を補完するものであり、極めて有用な情報を得ることができた。この情報が、平成30年度行う予定の基質の機能分析の大きな推進力となる。現在、これらのタンパク質の情報解析を進めているところである。

今後の研究の推進方策

平成29年度で得られたSPOP基質候補分子の評価を丹念に進める。

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公開日: 2018-12-17  

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